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日漢協 ニューズレター 84号

(第28巻 第3号)2012年1月

巻頭言  新年御挨拶

厚生労働省 医薬食品局長
  
木倉 敬之

新年明けましておめでとうございます。
 
近年、急速な少子高齢化の進行、科学技術の進歩、国際化の進展など医薬行政を取り巻く環境は大きく変化しております。国民の生命と健康を守ることは、厚生労働省の基本的使命であり、より質の高い医療サービスを提供するためには、より有効で安全な医薬品・医療機器を迅速に医療現場へ提供することが不可欠です。こうした日々高まる医薬行政に対する国民の皆様のご期待に沿えるよう、本年も各種施策に全力で取り組んでまいります。

革新的な医薬品・医療機器を迅速に実用化するためには、レギュラトリーサイエンスを推進することにより、審査等の迅速化・高度化や安全対策の充実・強化を図ることが不可欠です。

安全対策の充実・強化につきましては、平成22年4月の「薬害肝炎事件の検証及び再発防止に向けた医薬品行政のあり方検討委員会」の最終提言の内容を真摯に受け止め、実現可能なものから迅速かつ着実に実施しているところですが、制度改正事項についても、厚生科学審議会の医薬品等制度改正検討部会での議論を踏まえ、法制化に向けた検討を進めてまいります。また、医薬品副作用被害救済制度につきましては、その対象に抗がん剤を追加することが可能かどうか引き続き検討を行ってまいります。

また、審査の迅速化・高度化につきましては、いわゆるドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消を図るべく、審査人員の拡充、日本発シーズの実用化に向けた医薬品・医療機器に関する薬事戦略相談事業の実施、未承認薬・適応外薬の解消への取組を進めてまいります。

特に、医療機器の開発につきましては、現場の経験の蓄積等も踏まえ、日進月歩で進化しておりますが、医療機器の特性を踏まえ、QMS調査について、製品群ごとに調査対象をまとめるための方策について検討を進めるほか、改良・後発医療機器につきましても、承認・認証制度の運用改善を着実に進めてまいります。

新しい一般用医薬品の販売制度につきましては、医薬品の適切な選択と適正な使用に資するよう、専門家が対面で情報提供を行う等の制度の定着をより一層図るとともに、一般用医薬品のリスクに応じた分類について、製剤単位のリスクも考慮した見直しをさらに進めてまいります。

また、今春には、薬学教育六年制を受けた最初の薬剤師がいよいよ誕生することとなりますが、これまで以上に専門性を踏まえた役割を果たすことが期待されます。特に、病院や地域医療の現場において、チーム医療の中核を占める一員としての資質の向上を図るべく、各種研修事業の拡充等を図ってまいります。

市販後の安全対策につきましては、(独)医薬品医療機器総合機構における安全対策部門の人員増等の取り組みを進めていますが、本年も、大規模医療情報データベースを活用した新しい安全対策の実施に向けて事業を進めるとともにまた、「医薬品リスク管理計画」の導入に向けた検討を進めるなど、新しい施策にも取組んでまいります。 

薬事監視につきましては、本年は、医薬品のGMP調査の国際的な連携を推進するため、国際的なGMP査察協力の枠組みであるPIC/Sへの加盟に向けた準備を本格的に進めてまいります。さらに、近年問題となっている偽造医薬品の流通の監視や無承認無許可医薬品の取締り強化と消費者への情報提供、啓発など、関係者と連携して推進してまいります。

薬物乱用防止対策につきましては、最近、覚せい剤の乱用や大麻の不正栽培・所持等の事件が相次いでいることから、「薬物乱用防止加速化プラン」に基づき各種の予防啓発活動や取締りを徹底するとともに、違法ドラッグの流通などに対応した指定薬物の取締りの強化を進めてまいります。

血液事業につきましては、少子高齢化が進み、献血可能人口が減少する中でも、将来にわたり血液の安定供給を行うことのできる体制を確保すべく、若年層の献血者を増やすため、高校生等に対する普及啓発活動を強化するなど、引き続き献血推進に取り組んでまいります。

このように、医薬行政は多くの課題を抱えておりますが、これらの課題の一つ一つに全力で取り組む決意でございます。

本年も、医薬行政に対する皆様の一層の御支援、御協力を御願いいたしますとともに、皆様方のますますの御発展と御多幸をお祈りいたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。