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日漢協 ニューズレター 85号

(第29巻 第1号)2012年5月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 豊川 峻輔(株式会社ツムラ)

医療用漢方製剤委員会
 平成23年12月2日の中央社会保険医療協議会(以下、中医協)薬価専門部会において、『保険医療上必要性が高い医薬品の薬価改定方式』の導入検討は次年度以降に見送られることとなったが、12月14日の薬価専門部会では、製薬業界の代表による意見陳述が行われ、庄田隆日本製薬団体連合会会長は『保険医療上必要性が高い医薬品の薬価改定方式』に関し、「現行の不採算品再算定を最大限活用しつつ、次々期薬価制度改革において新たな仕組みを導入することを要望する」とされた。
 これに対し、輸液関係を中心にリスクマネジメントの観点から新たな仕組みが必要であるが、製薬業界も積極的な姿勢を示していただきたいとするとともに、「漢方製剤のように長期にわたって収載され新薬の出ないものについても、同様な考え方で引き続き検討していくべきと考えている。漢方製剤に関し個人的な経験で言うと、効果が確かにあるし漢方が無いと困る患者さんもいるので、併せてご検討いただきたい」との意見が出された。
 平成23年12月21日の薬価専門部会において『平成24年度薬価制度改革の骨子』は固まり、同日に開催された総会に報告され了承された。『保険医療上必要性が高い医薬品の薬価改定方式』は、最終的には「これら医薬品の安定供給を図ることは重要な課題であるため、その具体的な対象を明確にしつつ、平成24年度薬価制度改革以降、具体的な評価方法等の検討や検証をすすめることとする」となり、次々回の薬価改定を目指し継続検討されることになった。
 平成24年1月25日に本年度最後の薬価専門部会が開催され、『平成24年度実施の薬価算定基準等の見直しについて』が原案通り了承され、その後に開かれた総会に報告され確定した。この後、内示薬価は1月30日に各企業宛発送され、ヒアリングは2月6日から3日間行われた。薬価告示は3月5日に行われ、4月1日に薬価改定が実施された。
 昨年8月に実施し、11月に公表した「漢方薬処方実態調査」について、調査結果を説明した際に頂いた種々のご意見を参考にして、その活用方法の見直しについて検討した。その結果、日漢協として、本調査結果を医療関係者および一般国民に対し、積極的に情報提供することとし、会員各社からも情報提供が可能となるよう、現行ルールを見直した。

保険薬価プロジェクト、保険薬価研究部会
 保険薬価プロジェクト、保険薬価研究部会にて、中医協、社会保障審議会で示された論点整理について意見交換し、平成24年度薬価制度改革についてのまとめを実施した。行政に対して、生薬最低薬価ルール導入に向けた方針確認資料、生薬規格単位変更についての要望書を提出した。
 生薬の不採算品再算定に関して、行政、学会、関係会社等に対して、調整を実施した。
 生薬カンゾウについて、不採算品再算定が適用され、薬価の引き上げが実施された。

流通適正化部会
 日本製薬工業協会(以下、製薬協)コンプライアンス委員会委員長より、「いわゆる馬券行為」については、その企画や運営に携わることは勿論、参加することも一切禁止する件について徹底を要請されたため、会員会社にに対し、全従業員への徹底を依頼した。
 本年度、製薬協プロモーションコード委員会で審議された内容のうち、日漢協会員会社に関連した事項を抜粋して報告した。また、プロモーションコード改定に関連したIFPMA(国際製薬団体連合会)コードの改定状況および、それを踏まえた製薬協の改定スケジュール等に関して情報を共有化した。

教育研修部会
 MR漢方教本I第3版、MR漢方教本II第4版ドリルについて、改訂作業を実施している。
 質の高い研修やセミナーを行う上で講師として必要な考え方や具体的な方法、テクニック等について勉強会を実施した。

有用性研究部会
 日本東洋医学会EBM特別委員会との協力作業に関して、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン」について、2011年追加部分をAPPENDIX 2011 として、PDFファイルで日本東洋医学会のホームページに公開した。
 「漢方治療エビデンスレポート2012」(日本語版、英語版)は2012年6月の公開を目指し、各アブストラクターが構造化抄録を作成中である。日漢協では、構造化抄録のチェック作業に協力している。
 昨年10月には世界的なランダム化比較試験論文データベースである The Cochrane Library(CENTRAL)に、「漢方治療エビデンスレポート 2010」に収載されているランダム化比較試験論文が掲載され、東洋医学会のウェブサイトの構造化抄録にリンクがはられたが、その内容を全てチェックしたところ、未掲載論文や間違いがあることが判明した。本結果は、メリーランド大学代替医療センターに連絡し、訂正していただく予定である。
 「医療用漢方製剤2011」の作成について、医療用漢方製剤の添付文書記載内容に関する一覧表を作成中であるが、各社の記載方法にバリエーションがあるため、現在その統一方法を検討中であり、完成時期は平成24年度(2012年度)となった。


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

 平成23年12月に平成24年度税制改正大綱がまとめられ、この中で基本税率を無税とする129生薬が示された。これに伴い関税定率法の改正が、第180回通常国会にて財務金融委員会での検討を経て3月30日に可決され、3月31日公布、4月1日施行となっている。昨年の特恵国待遇の見直しによる一部生薬の関税有税化に端を発した生薬の関税に係る要望であり、ここに至るまで厚生労働省医政局経済課から1年間におよぶ財務省および農林水産省との折衝にご尽力をいただき、深く感謝の意を表したい。会員会社からは輸入に関する貴重な情報を寄せていただいたことで正確な実態把握と情報発信を可能にし、調査にあたった日漢協事務局と関係者の努力が相俟って、今般の改正実現に繋がったことに改めて御礼を申しあげる。3月28日には説明会を開催し、会員11社16名の参加を得、改正経緯や関税定率表に示される植物名と部位の解釈、さらに129生薬は乾燥したものに限っており砕き又は粉状にしたものを除くことなどについて理解を深めた。また法改正とは別に当局からキョウニン、キクカ、サンヤク、ヨクイニン等の13生薬については、1211.90-990以外の税番が適切とのご指導をいただいており、関係会社におかれては今後特にご留意いただきたい。なお説明会の内容は会員専用ホームページに掲載し、協会内での周知に努めてゆく予定である。
 生薬の使用農薬調査については、前回のチンピに続き今回はタイソウ(対象地域:山東省、山西省、陝西省、河北省および河南省)を調査し、本年2月に調査委託先より調査結果を入手した。現在、農薬種など報告内容の確認と日本語訳を進めており、今後日本に流通している中国産タイソウを用いて残留農薬の分析をした上で、論文投稿する予定である。
 現在、第2回原料生薬使用量等調査を実施しており、前回は平成20年度分であったが、今回は平成21〜22年度2年分の調査を進めている。平成20年度分に続くデータが得られることで、その後の推移や単年度では把握しきれなかった使用量情報が期待される。前回と同様小冊子化などを予定しており、漢方・生薬製剤に係る原料生薬の基礎的資料の一つとして開示してゆく予定である。また、中国からの世界各国への生薬輸出調査を進めており、カンゾウ、シャクヤク、ハンゲなど18生薬について中国からの輸出先国、輸出数量、輸出金額データを入手した。わずか18生薬についての限られたデータであることから、中国全体の生薬輸出動向を考察することは難しいが、上記原料生薬使用量等調査の結果とも合わせ有効活用していきたいと考えている。


一般用漢方製剤会議

一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
・2つのワーキンググループ(以下.WG)で活動を行っている。
@相談・苦情事例G:相談・苦情への回答・対応の検討
AトピックスG:トピックスの収集と共有化
・お客様相談業務の実態把握及び資質向上を図るためのお客様相談業務に関するアンケート調査をOTC医薬品関連5団体共通で実施した。
 会員313社中197社(回収率:62.9%)から回答があり、結果速報が出された。(日漢協は75社中49社から回答があり、回収率:65.3%。)

処方部会
一般用漢方210処方の整備
 今年第3次の新規処方が追加された後、じほう社より「新 一般用漢方処方の手引き」(仮称)が発行される予定である。そのため、処方部会で“手引き”の内容の精査を行い、現在、国立医薬品食品衛生研究所合田先生、袴塚先生に確認していただいている。
新規追加処方(31処方の予定)についての審議が5月の薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会に諮られる予定である。
【リスク区分関係】
 9月26日の薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会
安全対策調査会、意見募集を経て、11月14日の安全対策部会において漢方製剤は全て第2類医薬品とすることが了承された。そして、12月26日に追加処方で構成生薬が全て第3類の処方を含めて残りの30処方が第2類医薬品として告示された。
生薬及び動植物成分のリスク区分見直しに関するQ&Aが3月13日付け安全対策課事務連絡により発出された。

適正使用推進部会
 一般用医薬品添付文書記載要領改訂について、Q&Aの発出、初回改訂年月日の表示の明記および一般用医薬品リスク区分(平成24年4月1日適用日)について、事前に出荷しないこと等を案内した。
 OTC薬協が公開している「広告審査会レポート」から、漢方・生薬関連で「注意」・「話題」の指摘を受けた事例を紹介した。
 パッケージの体力表現については、漢方補助ツールの件もあり、次年度も継続検討とした。



生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)

 新たな生薬製剤の開発を目標に活動しており、生薬製剤の存在意義、開発意義の明確化を念頭に、2つの部会によるアプローチ、すなわち薬事制度と製剤開発の2つの側面から、生薬製剤の承認基準化ならびに生薬製剤の範囲拡大を達成したいと考えている。その環境整備や理論構築のために、関係官公庁・機関や他団体、有識者との連携や情報交換を行っている。
 また、生薬製剤等のリスク区分の見直しに対応している他、放射性物質、PIC/S、日本薬局方外生薬規格の改正等生薬製剤に関わる対応を共有している。

制度研究部会
 新たな生薬製剤の承認取得に向けた枠組みを検討している。  まずは、女性特有の効能効果を有する生薬製剤の承認前例を整理し、その全体像を把握した。現在、当帰川芎製剤としての承認基準案を策定するための枠組みを検討中で、幅広い関係者と意見交換しながら、効能効果の読み替え等による魅力化について検討している。

製剤開発部会
 新たな生薬製剤を開発するために、生薬のエビデンス収集と整理、また生薬の組合せについて検討している。
 まずは、女性特有の症状に有効と考えられる生薬のエビデンスについて、生薬研究者によりレポートとして整理いただき、活用のための精査をしている。また、我が国での使用経験・実績を調査することで生薬製剤の処方設計における理論構築を目指している。
 さらに、有識者にアプローチし、意見収集・情報交換を行い、配合理論について検討したいと考えている。


原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

 2月17日に平成23年度第6回原薬エキス委員会を開催した。また4月26日に平成24年度原薬エキス会議を開催し、平成23年度事業報告、平成24年度事業計画および予算などをまとめた。

1.日本薬局方収載漢方エキス等
 第16改正日本薬局方第1追補(平成24年10月施行)で当帰テ薬散と半夏瀉心湯の2処方が収載されることが確実で、これで収載漢方エキスは24処方となる。また当協会会員会社からの改正要望にもとづく、既収載生薬の改正提案状況などを確認した。
 技術委員会の協力の下、(財)日本食品分析センターにて実施した原薬エキス中の残留溶媒に関する試験結果を入手した。現在、それらの剤形、抽出溶媒、旧原薬承認の規格等について精査中であり、また今後の対応策を検討中である。

2.日本薬局方外生薬規格(以下、局外生規)の改正
 2月27日に第7回局外生規ワーキンググループ(以下、WG)(座長:国立医薬品食品衛生研究所合田幸広生薬部長)が開催され、昨年12月の第2回局外生規検討会議(事務局:審査管理課)で宿題となっていたジンギョウ、センレンシなどの生薬の性状、トウシンソウやジリュウの確認試験、ホップの灰分などが検討された。また局外生規の英名が検討され、“The Japanese standards for non-Pharmacopoeial crude drugs”(案)として、検討済み各条改正案とともに、6月13日開催予定の第3回局外生規検討会議で提案される。
 新しい局外生規については、第1回〜第3回の局外生規検討会議で了承された内容がまとめられ、意見募集を経て、本年中に通知発出される見込みである。

3.その他
 2月16日付けで厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課から、「生薬および漢方生薬製剤の製造管理および品質管理に関する自主基準(日本製薬団体連合会自主基準)」が事務連絡されたが、委員会では、GMP適用外製造所(刻みおよび粉末工程の委託製造所)に関し、生薬等に詳しい自治体と業界が協力して査察モデルを作成する必要があるのではないか、などの意見があった。
 国際対応WGのサブワーキンググループ(以下、SWG)への当委員会代表を選出した。
 SWG@(生薬関係):小山委員(養命酒製造)
 SWGA(製剤の品質関係):巽委員(ウチダ和漢薬)
 なおSWGB(伝統的知識関係)とSWGC(情報学関係)は、当委員会には直接関係ないと思われるので代表委員は出さないこととした。