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日漢協 ニューズレター 85号

(第29巻 第1号)2012年5月

生薬学教室を訪ねて[55]


安田女子大学薬学部天然物化学分野

天然甘味成分の研究
神田博史教授

女性にも教育が必要だ
 柔しく剛く…を学園訓とする安田女子大学の歴史は大正4年(1915)に遡ります。東京医学校、日本女子大学校英文科、東京裁縫女学校高等師範部(現東京家政大学)に学んだ創立者の安田リヨウは、女性教育不要論の強い時代にあって、女性にも教育が必要だ、との思いから女性のための学校の創設に取組み、広島市中島本町の慈仙寺という寺の庫裡を借りて広島技芸女学校を開校しました。
 以来、昭和20年の原爆による校舎全壊等、幾多の変遷を経つつ、女子中学校、女子高等学校、幼稚園、女子短期大学、小学校を次々に開校。そして、昭和41年(1966)に日本文学科と英米文学科からなる文学部が、平成6年(1994)には大学院が開設され、幼稚園から大学院を擁する学園に発展しています。
 その後、平成15年に現代ビジネス学部、16年に家政学部、19年に薬学部、本年4月には教育学部、心理学部が開設され、6学部1短期大学の総合大学としての地歩を築いています。


第1期生共用試験全員合格
安東キャンパスの薬学棟
開設以来6年目を迎えた薬学部薬学科は、広島市の西部、市街地を一望に見渡せる小高い丘陵地に位置する安東キャンパスにあり、学園訓の「柔しく剛く」を実践する高度な専門性と思いやり・やさしさを備えた薬剤師の養成を目指しています。
一年次では薬学に必要な化学、物理学などの基礎学力とともに「共通教育科目」で多彩な分野を学び、早期体験学習として病院薬剤部、保険薬局、広島県庁薬務課、卸企業、製薬企業などで、薬剤師か活躍している現場の体験学習を実施しています。2年次では基礎薬学科目、医療薬学科目を履修、3年次では製剤学、薬物治療学を、4年次では臨床薬剤学を学び、共用試験突破を目指します。
薬用植物園、
五行理論に通じる五角形の花壇
 5年次には病院・薬局で実務実習に参加するとともに漢方薬や化粧品などについて学ぶ香粧品学を履修、6年次での医療心理学を経て薬剤師国家試験に臨みます。こうしたカリキュラムによる全人教育が成果を挙げ、薬学科第1期生は全員が共用試験に合格しています。






漢方薬の科学的な裏付けがある薬用植物園
取材当時、4講座14分野で構成され、創薬学講座に配置される天然物化学分野は、国立衛生試験所、広島大学を経て赴任された神田博史教授をはじめ、講師1名、助手1名、5年生6名の陣容となっています。
研究として取り組んでいるテーマは
@天然物甘味物質の探索・研究(ステビア、甜茶)
A漢方薬の科学的な裏付け(カギカズラ)
B薬用植物の生薬材料学的品質評価(オオバナ オケラ、トチハニンジン)
 研究の他にも薬用植物園を舞台に薬用植物の地域への啓発、そして町おこしにも積極的に加わり、漢方の普及にも余念がありません。