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日漢協 ニューズレター 86号

(第29巻 第2号)2012年9月

ご挨拶 健康寿命と漢方生薬製剤によるセルフメディケーション

日本漢方生薬製剤協会
副会長
  
小林 豊

  昭和58(1983)年に設立された日本漢方生薬製剤協会(以下、日漢協)は、30周年を迎えようとしています。本年は「中長期事業計画2007(5ヶ年計画)」の成果が報告され、新たに「中長期事業計画2012(5ヶ年計画)」が策定されました。さらに、地球環境や循環型社会への配慮を盛り込んだ「日漢協企業行動憲章」、「日漢協コンプライアンス・プログラム・ガイドライン」が制定されました。日漢協にとって大きな節目となる重要な年度となります。より一層のご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 さて、医療の進歩などにより高齢化が一段と進み、「単に長生きするのではなく、元気な状態で日々を過ごしたい」と願う人々が増えてきています。国民の健康づくりの基本方針となる厚生労働省の「健康日本21(第2次)」では、健康寿命は男性で70.42歳、女性で73.62歳(2010年)であり、健康寿命と平均寿命との差、すなわち何らかの介護を必要とする期間は、男性で9.13年、女性で12.68年との発表がありました。また、この方針では、「生活習慣病の発病予防と重症化予防」、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」の方向性が示されており、平均寿命の延び以上に健康寿命が延びることを目標としています。
  人々が病気になる背景には、高齢化はもとより生活環境の多様化などがあります。生活習慣病や更年期障害のような心身の様々な機能のアンバランスから幾つかの複合症状を顕わす疾患に対しては、心身機能を正常な状態に戻していくことが大切であり、それには漢方製剤や生薬製剤が適していると考えられます。数千年に亘って蓄積された治療経験をもつ漢方薬は、生活習慣に由来する各種変調から生じた心身機能を正常化して効果を効果を発揮します。今後増え続ける生活習慣病の領域での重要性はますます高まっております。また、生薬製剤は生薬のもつ薬効を上手に組み合わせて利用することで、女性保健薬や滋養強壮薬、胃腸薬などの領域で独自の発展を遂げてきました。漢方生薬製剤がその役割を果たすことで国民の健康寿命の延伸に役立てられることが期待されます。

 高齢化にともなう医療費の増大は深刻な社会問題となっています。症状が比較的軽い場合には、まずは一般用医薬品などで自分自身のケアを試みるセルフメディケーションの推進が期待されています。日漢協ではこのようなニーズに応えるべく、一般用医薬品を活性化するために一般用漢方製剤会議と生薬製剤会議が活動しています。私が議長を拝命しております生薬製剤会議では、社会のニーズに叶う新たな生薬製剤の開発環境の整備を目標とし、現代における生薬製剤の存在意義に加え各社における開発の意義を明確にしながら、生薬製剤の発展拡大を目指して多くの学識経験者や行政関係者、医療関係者からご助言、ご支援を賜り活動を進めております。生薬製剤にご関心をお持ちの会員会社様におかれましては、是非ご参加いただき、共に活動いただければと願っております。

 日本国内は昨年に発生しました東日本大震災による甚大な被害や放射性物質の問題、電力不足など不安な状況が続いています。しかし、このような不安な時代においても日漢協は単に健康不安を解消するだけでなく、「健康日本21(第2次)」の方針に沿い、健康寿命を延ばすことで、国民のより豊かな生活に貢献することを目指し、漢方生薬製剤の普及と定着、発展の活動に努めてまいります。 会員各社の皆様には引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。