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日漢協 ニューズレター 86号

(第29巻 第2号)2012年9月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 豊川 峻輔(株式会社ツムラ)

医療用漢方製剤委員会
 平成24年6月6日に、本年度最初の中央社会保険医療協議会(以下、中医協)薬価専門部会が開催された。最初に事務局より薬価専門部会の今後の検討予定等が示された。まず、長期収載品の薬価のあり方に関する議論に集中し、秋から冬にかけて中間まとめを行った後、次期薬価制度改革の本格議論を開始するとしている。そして、平成25年9月以降に検討事項の全体の整理とその審議に入り、最終的には12月を目処に薬価制度改革(案)のとりまとめを行うとされた。
 その後、次期薬価制度改革に向けた検討事項等の確認が行われた。「新薬創出等加算の本格導入・恒久化」とともに、「保険医療上必要性の高い医薬品の継続的な安定供給のための薬価制度上の施策」についても、中医協として検討を進めることが確認された。

保険薬価プロジェクト、保険薬価研究部会(生薬委員会と共に活動)
 保険薬価プロジェクト、保険薬価研究部会にて、平成24年度薬価改定について検討を実施した。
 昨年12月に、厚生労働省医政局経済課に対して、「生薬・生薬製剤に最低薬価ルールが適用されているかどうか」について確認書を提出していたが、薬価告示後に経済課に確認を実施した。その結果、前回までは、生薬・生薬製剤に最低薬価ルールは適用されていなかったが、今回は、生薬・生薬製剤に、日本漢方生薬製剤協会(以下、日漢協)の要望とは異なるが、規格単位あたり散剤・顆粒剤7.20円の最低薬価ルールが適用されたことが確認された。
 中医協における「保険医療上必要性の高い医薬品の安定供給のための新たな薬価改定方式」に関する業界再提案および審議に備え、保険薬価研究部会が中心となり日本製薬団体連合会(以下、日薬連)に提出する日漢協意見の取りまとめを行った。その後、保険薬価プロジェクトにおいて、日薬連に提出する「新たな薬価改定方式」の日漢協案として「安定供給が必要なベーシック医薬品の薬価改定方式の新設」を取りまとめた。また、あわせて昨年度の中医協の場で多数の委員から求められた、製薬業界内での取組み・努力に対する答えとして「安定供給に関する日本漢方製剤生薬協会の取組み」も取りまとめ、正副会長会、理事会にて承認を得た後、7月27日に日薬連に提出した。
 今後の中医協における議論に備え、輸液協等の例にならって、日漢協としても訴求点を整理し、データ準備や理論武装を行う必要があるため、先ずは日漢協としての訴求点を検討・整理した。本訴求点を裏付けるデータの作成には、一会員会社の状況ではなく、日漢協全体の状況を反映する必要があるため、会員会社へのアンケート調査を実施すべく、その協力に関して正副会長会、理事会にて承認を得た。

流通適正化部会
 医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(以下、医薬品公取協)「飲食等の提供に関する新ルール」は、飲食提供に関する運用基準の改定に関し所管の消費者庁との間の最終的な届出・受理には至っていないが、基本的に6つの行為類型については了解が得られているため、会員各社の社内基準は、平成24年4月1日より予定通り実施することとなった。その後、消費者庁への届出・受理が必要な運用基準の改定ではなく、運用基準解説の改定として実施することとなり、5月16日付けで、医薬品公取協 運営委員長通知が発出された。
 医療用医薬品へのバーコード表示に関して、日薬連として、7月上旬に発出予定の2課長通知に関わる内容を検討する必要性から、日本製薬工業協会(以下、製薬協)のみならず、日本ジェネリック製薬協会、日本血液製剤協会、外用製剤協議会や日漢協など各団体から代表者を集め、「医療用医薬品へのバーコード表示の適用範囲と情報項目に関するプロジェクト(仮称)」を5月29日急遽開催し、検討した。日薬連での検討結果を受け、日漢協流通適正化部会の部会員を中心に意見を取りまとめ、現段階での日漢協意見として日薬連当該プロジェクトへ報告した。
 5月16日の製薬協総会において、IFPMA(国際製薬団体連合会)のコード改定を受けた見直しの一環で、医療用医薬品プロモーションコードの一部改定が承認され、9月1日から実施することとなった。さらに、IFPMAのコードにならい、営業活動だけでなく、製薬企業の全ての活動を包含するコードに変更していく「大幅な見直し」の考えが示され、来年度実施に向けて全般的な見直しを行う方針が示された。流通適正化部会では、製薬協が来年度施行を予定している医療用医薬品プロモーションコードの改定内容の確認および日漢協医療用漢方製剤・生薬プロモーションコードとの整合性を精査しつつ、改定に向け作業を検討する予定。

教育研修部会
 MR漢方教本I第3版、MR漢方教本II第4版ドリルについて、教本改訂部分とドリルの整合性をチェックし、削除すべき問題・改訂すべき問題、新規に増やすべき問題について検討を実施した。次年度以降、会員会社に教育用資材として利用できるようにしていく予定。
 漢方教育のため、MR教本を補完する目的でスライドを作成することとした。来年度に完成予定。

有用性研究部会
 「漢方治療エビデンスレポート 2012」(日本語版、英語版)、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2012」は、東洋医学会学術総会前の2012年6月の公開を目指し、各アブストラクターが構造化抄録を作成していた。本年は2年ぶりの全面改訂となるが、予算の関係から来年は全面改訂ができるかどうか不明である。そのため本年の改訂の際に、過去分も含めて全面見直しを行い充実させることになり、公開時期を8月以後に順延することとなった。東洋医学会学術総会の際にはEBM委員会が開催され、日漢協からも参加した。委員会では本方針が確認されるとともに、種々の修正方針が決定された。現在、その方針に従い、修正作業を実施中である。
 「医療用漢方製剤2012」の作成については、医療用漢方製剤の添付文書記載内容に関する一覧表を作成中で、現在最終チェックを行っており、まもなく発刊予定である。なお、発刊後、WHOのICTM(International Classification of Traditional Medicine)やWHO Drug Dictionaryに対応するため、英語版を作成予定である。


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

 中国における原料生薬の価格高騰などにより、生薬の安定確保に対する問題意識が高まっている。厚生労働省医政局経済課の提案により、農林水産省生産局、経済課と日漢協の3者で、薬用植物の国内生産の現況、国内栽培の展望や契約栽培等を進める上での障害・制約などについて認識を共有化し、国内栽培に今後どう取り組んでいくかを検討する勉強会がスタートした。また先の生薬の関税見直しに際し、関税審議会において全農・飛田副会長より「現在の契約栽培についても維持されるよう同様の指導をお願いしたい」との発言や、葉タバコ農家の転作に関連して生薬を栽培振興するなど、農家を含め、政治、行政においても急速に薬用植物栽培に対する関心が高まってきている。一方で日漢協からも、本年2月24日付け小宮山厚生労働大臣宛の要望書で、原料生薬の安定確保に関する課題を解決するため複数省庁にまたがる官民での勉強会の設置を要望した。先に開催された勉強会では、日漢協側から、薬用植物の国内生産者と我々使用者がお互いに産業として成り立つための施策を模索する必要があり、そのためには栽培コストと購入値段の折り合い、医薬品原料としての品質に適う栽培方法の確立などが必須であることを伝えており、今後の勉強会の成果に期待したい。
 日局既収載生薬の改定要望については、TLCランク12項目の改正案が日本薬局方原案審議委員会・生薬等委員会で了承されて全て終了し、これで67項目の改正要望中33項目が終了した。今後、ゲンノショウコの灰分等について、技術委員会と連携し早急に対応を図る予定である。
 局外生規の改定については、技術委員会および原薬エキス委員会とも連携して対応した。日漢協、日生連および東京生薬協会の関係メンバーが参加した局外生規検討WGが計8回開催され(8回目は5月23日)、厚生労働省医薬食品局審査管理課が事務局を務める局外生規検討会にWGで検討された改正案が提案された。6月13日に第3回局外生規検討会議が開催され、これまでに検討された新収載案や既収載の改正案がすべてまとめられ、今回の改定作業を終了した。7月26日に審査管理課より意見募集が発出された(8月25日締切り)。
 これと平行して合田先生らと厚生労働科学研究として行った、新210処方配合生薬や薬価に収載されている生薬などのうち英名の定められていない生薬の英名についても、「局外生規2012」の通知発出と合わせて事務連絡される予定である。これを受けて、当委員会が中心となり生薬英名に関する意見募集を行った結果、日漢協会員会社から19件、関係の先生方から11件のご意見をいただいた。いただいたご意見とそれぞれの対応結果をまとめ、7月31日付けで会員会社と関係の先生方に報告した。
 中国産タイソウの使用農薬調査(調査地は山東、山西、陝西、河北、河南の5省)については、現在農薬種などの確認作業を進めている。また前回調査した中国産チンピについては論文投稿し、既に『生薬学雑誌』65巻に掲載されているが、この度、平成24年度の日本生薬学会論文賞を受賞した。原料生薬の品質確保と安定確保の推進として取り組んだ活動のひとつが評価されたものと考えており、ご指導を賜った先生方にこの場を借りて深謝する。


一般用漢方製剤会議

一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
・2つのWGで活動を行っている。
@相談・苦情事例G:相談・苦情への回答・対応の検討
AトピックスG:トピックスの収集と共有化
・昨年度実施したお客様相談業務に関する一般用5団体共通アンケート調査結果は、全国家庭薬協議会消費者対応委員会 研修会にて報告の予定である。また、今年度もアンケートを実施する方向で検討を行っている。

処方部会
一般用漢方210処方の整備
 今年第3次の新規処方が追加された後、じほう社より「新一般用漢方処方の手引き」(仮称)が発行される予定である。そのため、処方部会で“手引き”の内容の精査を行い、現在、国立医薬品食品衛生研究所(以下、国立衛研)合田先生、袴塚先生に確認していただいている。  新規追加処方(31処方)について6月7日の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会に諮られ、了承され、追加31処方を加えた一般用漢方製剤承認基準の改正通知は8月30日付けで発出された。
【リスク区分関係】
 生薬および動植物成分のリスク区分見直しに関するQ&A(3月13日付安全対策課事務連絡)に明記されなかったリスク区分の判断が難しい製品(一般用医薬品承認基準処方に生薬やビタミン成分等を配合した製剤や承認基準外の生薬製剤等)に関して、安全対策課より照会があった。

適正使用推進部会
  「平成23年度厚生労働科学研究費(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)分担研究報告書-防風通聖散製剤を用いた使用実態調査研究-」平成22年度に実施した防風通聖散製剤を用いた使用実態調査研究(AUR)のデータのまとめ・解析結果では、使用者の「証」を確認することで、適正使用を推進することが示唆されたと報告書としてまとめられた。
 2005年にEU(欧州連合)において、医薬品のパッケージ(紙箱等の二次容器)とパッケージ・リーフレット(添付文書)に点字を表記することが義務付けられた。その後、ISOにドイツから欧州規格を国際規格とするよう提案されたことを受けて、日本でも日本製薬団体連合会安全使用対策検討会「医薬品包装点字検討プロジェクト」で検討が始まっている。
 漢方補助ツール作成に関して、7月に一般用漢方製剤委員長他数名にて国立衛研合田先生を訪問し、検討班での状況等について確認した。



生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)

 新たな生薬製剤の開発を目標に活動を行っている。生薬製剤の存在意義、開発意義の明確化を念頭に、委員会で方針を検討し、2つの部会が薬事制度と製剤開発の両面からアプローチすることで生薬製剤の承認基準化ならびに範囲拡大を達成したいと考えている。その環境整備や理論構築のために、関係官公庁・機関や他団体、有識者との連携や情報交換を行っている。
また、放射性物質、国際対応、PIC/S、局外生規の改正等の生薬製剤に関わる対応を共有している。

制度研究部会
 新たな生薬製剤の承認取得に向けた枠組みを検討している。まずは、女性特有の効能効果を有する生薬製剤の承認前例を整理し、幅広い関係者と意見交換しながら、製造販売指針における当帰川 製剤の効能効果を読み替える等して魅力化を検討し、承認基準の素案を作成している。
 また、先行事例となる一般用漢方製剤の承認基準の制定および改正の経緯から学ぶための講演会を企画している。

製剤開発部会
 新たな生薬製剤を開発するために、生薬の組合せの検討、生薬のエビデンス収集と整理を行っている。 女性特有の効能効果を有する生薬製剤の承認前例を整理し、当帰川 製剤の処方の構成について、承認基準の素案を作成した。また、新規生薬の配合等について、議論を行っている。
 エビデンス収集では、生薬研究者によりレポートとして整理いただき、我が国での使用経験・実績、文献等を調査することで処方設計における理論構築を目指している。


原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

 6月14日に平成24年度第2回原薬エキス委員会を、大阪にて開催した。

1.日本薬局方関係
 日本薬局方(以下、日局)原案審議委員会・生薬等(B)委員会からの要請で、ニクジュヨウの基原等について調査した。委員会参加会社が有する旧原薬承認、輸入承認等について調査した結果、ホンオニクCistanche salsaとC. deserticolaが主であったが、日本産のオニク Boschniakia rossicaの承認を持っているところもあった。また、平成19年12月の厚生労働省医薬食品局審査管理課(以下、審査管理課)発事務連絡「公定規格に収載されていない生薬の自主基準について」以降では、上記3種以外にC. tubulosaも承認されていることが判った。
 5月中旬に国立医薬品食品衛生研究所(以下、国立衛研)とニクジュヨウの原案作成を担当している(社)東京生薬協会とで打合せが持たれ、日局はC. salsa、C. deserticolaおよびC. tubulosaの3種を基原とし(使用部位は未熟花序を有する肉質茎)、一方、オニクB. rossicaは「ワニクジュヨウ」として日本薬局方外生薬規格(以下、局外生規) に収載するとの方向性が示された。

2.局外生規の改正
 5月23日の第8回日本薬局方外生薬規格検討ワーキンググループ(以下、局外生規検討WG)(座長:国立衛研 合田生薬部長)で、新収載のトウシンソウ、ホップ、ワニクジュヨウなどの収載案、また既収載のシソシ、センタイなどの改正案が検討された。
 6月13日に開催された第3回局外生規検討会議(事務局:審査管理課)では、上記品目を含めこれまでに検討された各条案が了承され、7月26日付けで意見募集が行われた。提出意見により必要な修正が加えられた後、今秋には「局外生規2012」が通知される。
 なお局外生規検討WGと局外生規検討会議では、新210処方配合生薬や薬価に収載されている生薬など66種の英名についても検討が行われ、これについても同時期に事務連絡される。

3.その他
 本年5月に、ISO/TC249第3回本会議が韓国・大田で開催された。委員会で、本会議の決議事項について詳細な報告を行った。
 当協会のPIC/S 対応WGは、日本がPIC/Sへの加盟申請を行ったことで一旦解散するが、バリデーション基準の見直し、事例集やQ&Aの改訂など の課題が残っていることから、新しくWGを組み直すことになった。WGの当委員会代表に、浦部委員(アルプス薬品工業)を選出した。
 「日漢協30年史」の特別企画「女性座談会」(8月29日開催)に、当委員会から有本委員(三国)が参加した。