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日漢協 ニューズレター 87号

(第29巻 第3号)2013年1月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 豊川 峻輔(株式会社ツムラ)

医療用漢方製剤委員会
平成24年8月22日、10月31日に中央社会保険医療協議会(以下、中医協)薬価専門部会が開催され、両日とも長期収載品の薬価のあり方等が議題となり審議された。審議の結果、長期収載品と後発品の価格差については「やむを得ない」と容認することが確認された。但し、長期収載品の薬価については、白川委員(健康保険組合連合会専務理事)より、後発品初収載を受けた「特例引き下げ」(4〜6%)の深掘りについての提案や、後発品使用が進まない場合などは一定期間後にも下げる「段階的引き下げ」案等の意見が出された。また、坂巻参考人(名城大学教授)からは、特許期間中の新薬や日本薬局方品、生薬など後発品に「置き換え不能」な部分も含めて分母にした日本の後発品シェア(22.8%、11年9月薬価調査)は「最大値が100%にならない」との意見が出され、今後の検討課題となった。
9月27日に日本製薬団体連合会(以下、日薬連)薬価研運営委員会が開催された。7月27日に日薬連に提出した「保険医療上必要性の高い医薬品の安定供給のための新たな薬価改定方式」に関する日本漢方生薬製剤協会(以下、日漢協)意見「安定供給が必要なベーシック医薬品の薬価改定方式の新設」について事前に頂いた質問に対して、提案した制度の主旨・目的・背景、特に対象となる医薬品の選定要件について詳細に説明した。
10月29日に医療用漢方製剤委員会を開催した。行政官等に対して、漢方医学・漢方製剤の現状と課題を説明する資料について、日漢協全体のデータに基づき更新作業を実施中であるが、その一環として、医療用漢方製剤数量伸張等について、保険薬価プロジェクトよりアンケート調査を実施した。医療用漢方製剤委員会加盟会社から得られたアンケート調査結果に基づき当該説明資料を改定し、委員会において改定内容を確認した。

保険薬価プロジェクト、保険薬価研究部会(生薬委員会と共に活動)
8月29日に、保険薬価プロジェクトを開催し、7月27日に日薬連に提出した日漢協意見「安定供給が必要なベーシック医薬品の薬価改定方式の新設」についての内容、今後の中医協、日薬連での検討スケジュールについて確認した。また、中医協での議論に備えての、医療用漢方製剤に関する調査項目を検討し、一部についてアンケート調査を実施した。
保険薬価研究部会にて、「安定供給確保が必要なベーシック医薬品の薬価改定方式」について、継続して検討を実施した。
生薬薬価に関する活動として、市場実態把握のために実売アンケート調査を実施し、調査結果等を踏まえて、生薬市場の逆ざや実態についてのご理解とこれからの対応について、厚生労働省医政局経済課と打合せを実施した。経済課との面談時に出された生薬市場の逆ざや実態に関する質問事項について検討を実施し、逆ざや販売を確認するために、生薬市場調査分布アンケート調査を実施した。
10月11日に日漢協が主催した「市民公開漢方セミナー」で、漢方に対する意識についての時系列でのアンケート調査を実施した。

流通適正化部会
生物由来製品を除く内用薬と外用薬への商品名バーコード表示に関する2課長通知発出後の製薬企業の対応状況および日薬連発「医療用医薬品新コード表示ガイドライン」に寄せられた質疑についての情報を共有化した。
インターネット通信を利用(ライブ形式・双方向のやり取り)して、自社医薬品の講演会を複数会場に同時に配信する、いわゆる「Web講演会」について、医療用医薬品製造販売業公正競争規約上の考え方について情報を共有化した。
医療用医薬品製造販売業公正取引協議会は、学会開催に際してドリンクなど飲料類を寄付する行為を禁止することを決め、会員会社に通知した旨を確認した。通知内容は、本年9月以降学会開催に際してドリンクなど飲料類の寄付には応じないこと、平成25年4月以降は提供しないことであり、医薬品の公正な取引の確保に向けた取組みを各会員会社に依頼した。

教育研修部会
部会において、「薬害教育について」の講演会を開催し、情報の共有化を実施した。
漢方MR教本の教育用スライド作成について、各社で作成した担当パート毎の原稿案を統合した。予算の関係で外注することをやめ、現行案の体裁を整え、一枚ずつ修正を加え完成させることとなった。

有用性研究部会
東洋医学会EBM委員会協力作業として、「漢方治療エビデンスレポート 2012」(日本語版、英語版)、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2012」の作成作業を過去分の修正を含めて実施中。
8月1日付けで「医療用漢方製剤 2012―148処方の添付文書情報―」を発刊した。本資料は、2011年11月現在の医療用漢方製剤の添付文書情報をまとめたものである。今後、医療用漢方製剤委員会加盟各社へ配布の予定。また、日本東洋医学会などの学会関係者や、行政関係者への配布も予定しており、医療用漢方製剤の現状を正確に把握する資料としての活用が期待される。また、広く知らしめるため、日漢協ホームページへの掲載を広報委員会に申し入れた。今後は約2年ごとの改訂を予定している。また、WHO Drug Dictionary への提供やWHOのICTM (International Classification of Traditional Medicine)資料とするため、英語版の作成に着手した。年度内の完成を目標。


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

前回86号で、論文「薬用植物における使用農薬の実態調査(第1報)中国産チンピの使用農薬」が、平成24年度生薬学会論文賞に内定したことを伝えたが、9月17−18日に開催された日本生薬学会第59回年会(千葉)で授賞式が行われた。本論文は原料生薬レベル、すなわち中国産チンピの産地における現地調査と日本国内で流通する中国産チンピの農薬分析による農薬残留性を評価した論文である。本論文が学会から評価されたことは、技術委員会における日漢協残留農薬自主基準にもとづく製剤レベルでの農薬試験に関する調査結果と相俟って、日漢協の残留農薬に関する活動が高いレベルにあると認められたものといえよう。改めて関係者のご尽力とご指導いただいた先生方に感謝申し上げる。現在調査を進めているタイソウについては、チンピと同様、中国現地調査結果を精査した上で日本市場品の農薬分析に取り組んでおり、これについても論文化する方向で検討を行っている。
厚生労働省医政局経済課、農林水産省生産局地域作物課と日漢協とで、生薬の国内生産について検討を続けてきたが、ここへきて医薬品原料としての生薬の安定確保や農水サイドの耕作放棄地での代替作物の観点から、具体的な品目やニーズ情報などが求められている。今後の議論を進める上で、どんな生薬がどれくらいの数量必要なのか、どれくらいの価格ならば取引可能なのか、またどういった品質要求があるかなど、使用者側である日漢協が提示する必要がある。以上のような要請があることから、会員各社のニーズや意見などを汲み上げるため、昨年11月に「生薬国内生産検討班」を設置した。17社21名の参加を得、生薬委員会は検討班の事務局としてこの活動を支えることになった。検討班においては、生産者側と使用者側のニーズのマッチングや、生薬栽培の各ステージ(実生産、試作段階など)における問題点について検討を行っている。
平成24年10月30日付けで、薬食審査発1030第1号通知「日本薬局方外生薬規格2012」(局外生規2012)が発出された。収載56品目のうち18品目は新規収載であり、18品目中のケイシ、ジンギョウ、ジンコウおよびセンレンシは、平成19年12月17日付審査管理課事務連絡「公定規格に収載されていない生薬の自主基準」(以下、自主基準)からの新規収載である。またワニクジョヨウは、自主基準のニクジュヨウの中からオニクBoschniakia rossicaを基原とするものが切り分けられ、新規収載されたものである。局外生規2012の通知発出に伴い、自主基準からケイシ、ジンギョウ、ジンコウ、センレンシが削除され、またニクジュヨウの改訂が行われ、これも同日付けで事務連絡された。


一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
・2つのWGで活動を行っている。
①相談・苦情事例G:相談・苦情への回答・対応の検討
②トピックスG:トピックスの収集と共有化
・昨年12月に実施したお客様相談実態調査を基に「家庭薬消費者セミナー」が9月6日に開催され、一般用5団体共通アンケートの結果報告が行われた。また第2回共通アンケートを平成25年2月に実施することとし、準備にはいった。設問は、消費者からの問い合わせ、販売店からの問い合わせ事例に関する深堀りの他、ネット販売等トピックス的話題をとりあげる予定である。

処方部会
一般用漢方210処方の手引き作成
・薬食審査発0830第1号(平成24年8月30日付)一般用漢方製剤承認基準(計294処方)に準拠する「新版一般用漢方処方の手引き」(以下、手引き)作成について、10月31日に国立医薬品食品衛生研究所(以下、国立衛研)袴塚先生、じほう社と打合せを実施した。「手引き」の構成案に沿って、3者で作業分担と確認を行った。各論中「参考文献」の部分は、本部会で作成した原稿を袴塚先生に確認いただいているが、文献追加の有無を判断していただくため、本部会が追加確認をすることになった。本確認は11月に対応した。来年6月出版を目標に作業を継続する。

適正使用推進部会
一般用漢方製剤販売時の補助ツール作成について
・一般用漢方製剤の販売時に使用する補助ツール「使用者確認票(仮称)」を国立医薬品食品衛生研究所合田先生を中心に作成することになり、10月16日に第3回研究班会議が開催され、部会より3名が派遣され研究班への参画を開始した。ツールはA4版用紙両面を使用し、表面にチャート図、裏面は当該処方の関連情報を掲載する予定である。チャートは証に合っているかどうかの有効性を高める内容ではなく、副作用を出さないようにする安全性の観点を重視する。日本薬局方収載34処方のうち、柴朴湯、抑肝散、柴苓湯、真武湯、大建中湯は除外し、代わりに辛夷清肺湯、清心蓮子飲、五淋散、猪苓湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、独活葛根湯、響声破笛丸、五虎湯、駆風解毒湯、疏経活血湯を採用し計39処方を対象とする。


生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)

新たな生薬製剤の開発を目標に活動を行っている。生薬製剤の存在意義、開発意義の明確化を念頭に、委員会で方針を検討し、2つの部会が薬事制度と製剤開発の両面からアプローチすることで生薬製剤の承認基準化ならびに範囲拡大を達成したいと考えている。その環境整備や理論構築のために、関係官公庁・機関や他団体、有識者との連携や情報交換を行っている。
また、一般用漢方製剤委員会とともに「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン(日漢協(一般用)会員会社向け)」とQ&Aを策定した。
その他、局外生規の改正、国際対応等の生薬製剤に関わる対応を共有している。

制度研究部会
新たな生薬製剤の承認取得に向けた枠組みを検討している。まずは、女性特有の効能効果を有する生薬製剤の承認前例を整理し、製造販売指針における当帰川芎製剤の効能効果を読み替える等して魅力化を検討し、承認基準の素案を作成している。
ここで、先行事例となる一般用漢方製剤の承認基準の制定および改正の経緯について、国立衛研 袴塚先生による講演会、意見交換会を実施。先行事例と比較することで、活動の方向性を検討している。
また、婦人科領域の臨床医に今日的な考え方について相談している。

製剤開発部会


袴塚先生による講演会にて(2012/8/31)
新たな生薬製剤を開発するために、生薬の組合せの検討、生薬のエビデンス収集と整理を行っている。
女性特有の効能効果を有する生薬製剤の承認前例を整理し、当帰川芎製剤の処方の構成について、承認基準の素案を作成している。
配合されている生薬の意義やエビデンスについて、使用経験・実績、文献的根拠等を調査、整理することで処方設計における理論構築を目指している。


原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

平成24年度第3回原薬エキス委員会を10月16日に、また第4回を12月21日に開催した。

1.日本薬局方関係
「日本薬局方外医薬品規格2002」(局外規)には、アカメガシワエキス、ヨクイニンエキスなど9種の植物由来エキスが収載されているが、一部エキスについては規格を見直して欲しいとの要望がある。そのため、直近の製造実績、見直すべき規格項目等について、調査を行う予定である。調査結果を詳細に検討した上で、日本薬局方原案審議委員会・生薬等委員会に、局外規から数品目を新規収載候補品目として提案していきたい。

2.日本薬局方外生薬規格の改正
審査管理課から、平成24年10月30日付けで「日本薬局方外生薬規格2012」(局外生規2012)が発出された。局外生規2012には、平成19年度の日漢協・日本生薬連合会自主基準「公定規格に収載されていない生薬の規格及び試験方法」(以下、自主基準)に掲載されていたジンギョウ、ジンコウ、ワニクジュヨウなど数品目が新規収載されたことから、合わせて自主基準の改訂も事務連絡された。

3.HS単味生薬班
これまでに、一般用医薬品の範囲拡大のために、西洋ハーブ製剤の承認申請の取扱いが整備され、また一般用漢方処方が見直されてきた(新210処方)。この流れに沿って、平成22年度に始まった生薬製剤承認基準原案検討班(HS単味生薬班)は、平成24年度からHS政策創薬マッチング研究事業「育薬を指向した天然物医薬品の標準化と品質評価に関する研究」の分担研究「育薬を指向した西洋ハーブの品質評価と生薬製剤の標準化に関する研究」として、あらためて開始された。具体的には、昭和55年の『局方医薬品承認申請の手引』をベースに、生薬製剤承認審査基準の原案作りに結び付ける方針であり、昨年7月の第一回会議、12月の第二回会議に当委員会から2社が参加した。