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日漢協 ニューズレター 87号

(第29巻 第3号)2013年1月

生薬学教室を訪ねて[57]


徳島文理大学香川薬学部生薬・天然物化学講座

生薬・薬用植物から抗リーシュマニア
活性化合物の探索

関田節子教授

女も独り立ちができねばならぬ
四書五経と琴を荷車に積んで小豆島から徳島の地にやってきたと伝えられる学祖村﨑サイにより、明治28年(1895)に創立された私立裁縫専修学校を前身とする徳島文理大学は、本年で開校以来118年目を迎えます。

「女も独り立ちができねばならぬ」と女性の自立を唱えて創立され、「自立協同」を建学の精神とする同校は、大正13年(1924)に徳島女子職業学校を併置。昭和19年(1944)に村﨑女子商業学校となり、戦後の23年、村﨑女子高等学校と改称、その10年後の33年には徳島女子高等学校と改称されました。

昭和41年に徳島女子大学が開設され、家政学部(現人間生活学部)が設置されました。43年に音楽学部を設置、47年には徳島文理大学と改称、薬学部が設置されています。その後、香川県志度町(現さぬき市)に香川キャンパスを開学、文学部が設置されたのを皮切りに、以後、徳島、香川の両キャンパスに工学部(現理工学部)、総合政策学部、香川薬学部、人間福祉学部が設置され、幼稚園から大学院を擁する西日本指折りの総合学園として発展しています。


核磁気共鳴装置など最先端機器が充実
同一の大学に二つの薬学部を有する徳島文理大学は、「環境は感性を豊かにし、人を育てる」を理念に、教育環境の整備に力を入れています。学びの環境は日本有数と言われ、薬学部、香川薬学部、理工学部の教育施設、研究施設には核磁気共鳴装置(NMR)や解析機器などの最先端機器が備えられ、同校の自慢ともなっています。

香川薬学部創薬学科が設置されたのは平成16年(2004)でした。18年には6年制の薬学科と4年制の薬科学科となり、前者では薬・医療の現場で活躍できる「自立協同」の精神をもった薬剤師の養成、後者は研究者をはじめ幅広い分野で活躍できる人材の養成を目的としています。

チーム医療を学ぶ場として好評を博しているのが、香川大学医学部、香川県立保健医療大学との三大学連携事業です。授業を相互に受講したり、学生同士の交流等の事業を行っています。24年末には、島しょ部・へき地における医療・福祉の向上を目的とする「へき地薬局」を香川県薬剤師会と開設、地域に根差した薬剤師教育の一環としての活用を目指しています。

抗リーシュマニア活性化合物の探索
教育・研究施設は18の講座と神経科学研究所からなり、国立医薬品食品衛生研究所・筑波及び和歌山薬用植物栽培試験場場長を歴任された関田節子教授が率いる生薬・天然物化学講座は、代田修准教授、岡田岳人助教、森加奈未助手の4人の教員と2年生から6年生の学生21名の陣容となっています。

現在、取り組んでいる研究テーマは
・ 生薬・薬用植物から抗リーシュマニア活性化合物の探索
・ マオウのエフェドリン生合成に関する分子生物学的・生化学
 的研究
・ 薬用植物代謝産物の一斉網羅的分析
・ 幻覚性及び麻薬性植物の成分に関する科学的研究
・ 生薬・漢方薬の活性成分の解明
・ 有用食品の機能性成分に関する研究
・ 生薬の品質評価に関する研究

数々の研究テーマを探求するとともに、著名な講師を呼び、市民を対象とした薬用植物講演会・観察会を主催しています。学内でも東洋医学 研究会を組織し、漢方薬の調合と服用、薬用植物への知識を深める、薬用植物の栽培などをテーマに、2〜3年生を中心に研究に勤しんでいます。