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日漢協 ニューズレター 88号

(第30巻 第1号)2013年6月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 豊川 峻輔(株式会社ツムラ)

医療用漢方製剤委員会
平成24年11月28日、12月5日に中央社会保険医療協議会(以下、中医協)薬価専門部会が開催された。11月28日には、11月14日に事務局より示された「長期収載品の薬価のあり方等について〜中間とりまとめのたたき台(案)〜」について、関係業界からの意見聴取が行われ、日本製薬団体連合会(以下、日薬連)内藤会長、日本製薬工業協会(以下、製薬協)手代木会長、日本ジェネリック製薬協会澤井会長が出席され意見を述べられた。12月5日は関係業界の意見聴取を踏まえた「中間とりまとめのたたき台(案)」が示された後議論され、「後発医薬品と先発医薬品の薬価の差」、「長期収載品(先発医薬品)の薬価及び後発品への置き換え」に関し一定の結論がまとめられた。「後発医薬品と先発医薬品の薬価の差」では、市場実勢価格を反映することを原則とした上で、先発医薬品と後発医薬品の薬価の差が存在することを許容するとされたものの、最初に後発医薬品が出たときの先発医薬品と後発医薬品の薬価の差はどの程度が適正かについては、今後の議論の中で検討することとされた。「長期収載品(先発医薬品)の薬価及び後発品への置き換え」では、一定期間を経ても後発医薬品への置き換えが進まない場合には、長期収載品の薬価の特例的な引き下げを行うというルールを導入することとなり、併せて新薬創出・適応外薬解消等促進加算の導入についてもその効果を十分検証した上で議論することとなった。
1月23日、2月27日に、日薬連保険薬価研究委員会において、「保険医療上必要性の高い医薬品の薬価改定方式に関する業界全体の取り組みについての検討会」が開催され、眼科用剤協議会、外用製剤協議会、輸液製剤協議会、日本血液製剤協議会と共に、日本漢方生薬製剤協会(以下、日漢協)も参加した。検討会では、各業態別団体の抱える特殊性や、安定供給等に対する取り組み等の報告がなされた。日漢協からは、原料生薬の83%を中国から輸入しており、その輸入価格が7〜8年で3倍近く高騰している問題点を説明し、中国のカントリーリスクの高まりへの対応も含め、原料生薬の国内栽培の推進に業界全体で取り組んでいることを報告した。また、厚生労働省(以下、厚労省)、農林水産省、日漢協を中心とした協議会が立ち上がり、生薬の国内栽培強化に向けた課題の検討が始まった旨を説明したところ、課題解決に向けた業界姿勢に一定の理解が得られた。2月27日に開催された検討会において、各業態別団体の抱える特殊性や、経営状況、安定供給等に対する取り組み、経営努力の現状について、資料提供の依頼があった。現在、医療用漢方製剤会議加盟会社に対してアンケート調査を実施中で、その結果を取り纏め資料化し、日薬連薬価研に提出予定である。

保険薬価プロジェクト、保険薬価研究部会(生薬委員会と共に活動)
1月10日に、厚労省医政局経済課の長谷川課長補佐以下の薬価担当の行政官に対して、また、2月1日に、厚労省保険局医療課の宇都宮課長、井本課長補佐に対して、特に中国における生薬価格の高騰等の情勢を中心に、「漢方医学・漢方製剤の現状と課題について」の説明を実施した。
生薬価格の現状について、厚労省医政局経済課と継続して打ち合わせを実施した結果、生薬の不採算品再算定実施に向け、経済課と連携して、生薬薬価を有する全ての会社が集まれる説明会を来年度に開催することになった。

流通適正化部会
製薬協は、2012年3月にIFPMAが制定した「IFPMAコード・オブ・プラクティス」の趣旨に沿って、「医療用医薬品プロモーションコード」をさらに発展させ、会員会社のすべての役員・従業員と研究者、医療関係者、患者団体等との交流を対象とした「製薬協コード・オブ・プラクティス」を4月に実施することとした。日漢協としての対応について医療用漢方製剤委員会にて検討した結果、基本的には製薬協に追随することとし、製薬協にて実施されるコード・オブ・プラクティス策定状況のアンケート調査の結果、他業界団体の取り組み状況を確認した上で、方針について検討することとした。
製薬協「透明性ガイドライン」については、日本医師会や学会等から、公開に関するガイドラインそのものに反対はないが、講演、原稿執筆、コンサルティングに絡む資金提供での開示方法(個別開示)で工夫が必要との意見があり、日本医師会や学会の合同協議会が設置され、3月末まで協議が続けられることになった。日漢協としての対応について医療用漢方製剤委員会にて検討した結果、日本医師会と学会の合同協議の結果、それを受けた製薬協の対応状況を確認した上で、今後の方針を検討することとした。

教育研修部会
MR教本の教育用スライド作成について、来年度の完成を目指し、各社で作成した担当パート毎の原稿案を統合して、体裁を整え、一枚ずつ修正を実施中。
葛根湯の生薬DVDを作成し、2013年4月に各会員各社で使用できるようにした。

有用性研究部会
日本東洋医学会EBM委員会協力作業として、「漢方治療エビデンスレポートAppendix 2012」(日本語版、英語版)、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドラインAppendix 2012」を作成し、日本東洋医学会のホームページに公開した。 「漢方治療エビデンスレポート 2013」(日本語版、英語版)、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2013」は、2013年夏の公開を目指して作業中である。
「医療用漢方製剤 2012 -148処方の添付文書情報-」の英語版を作成中で、2013年夏に完成予定。完成後、データはUppsala Monitoring Centreに提供し、WHO Drug Dictionaryに掲載される予定。


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

厚労省医政局経済課、農水省生産局地域作物課と日漢協が中心となり、生薬の国内生産を推進するため開催された「薬用作物に関する情報交換会」は、平成24年11月21日、平成25年1月16日と3月28日に都合3回開催された。情報交換会には、その他に厚労省医政局研究開発振興課、林野庁林政部経営課特用林産対策室、(独)医薬基盤研究所薬用資源研究センター、(財)日本特産農産物協会、全国農業協同組合中央農業対策部、北海道農政部、長野県農政部、富山県厚生部および富山県薬用植物指導センターも参加し、活発な議論が行われた。日漢協からは 井会長をはじめ、内田副会長、渡邊常務理事、原生薬国内生産検討班長、豊川医療用漢方製剤委員長、浅間生薬委員長、吉村生薬副委員長、小山生薬委員が参加した。「生薬国内生産検討班」で当協会会員会社を対象に調査した国内生薬のニーズ、国内栽培における課題等について説明し、また国としての対応を強く要請した。情報交換会での議論の結果、生産者と実需者のマッチングシステムとして、厚労省および農水省支援の下、日漢協(実需者)が全国ブロック単位で自治体や生産者側に対して説明会を行うことになり、現在その準備が進められている。また必要な支援の内容等について検討するため、実務者協議を継続することになった。

また農水省から、農水省支援事業の一つである「産地活性化総合対策事業のうち地域特産作物需要拡大技術確立推進事業」(以下、推進事業)の紹介があり、日漢協からも応募するよう要請があった。4月11日の生薬国内生産検討班で対応策を検討した結果、推進事業に応募することとした。ただ日漢協そのものは応募団体として資格がない旨指摘があったため、手挙げした4社を中心に「日本薬用作物検討協議会」を設置し、本年度はこの協議会を母体として推進事業に応募した。

農薬登録時の基本となる適用農作物をまとめた別表(平成13年10月10日付け13生産第3986号農水省生産局生産資材課長通知)に‘薬用作物(専ら医薬品の作物)’が収載された場合、作物残留試験が省略される方向だが、残留農薬に関する安全性を担保するため、(独)医薬基盤研究所薬用植物資源研究センターが受託する厚労科学研究で、関係学会、農薬の専門家、また技術委員会とも連携して検討すべく協議中である。

第2回原料生薬使用量等調査(平成21−22年度分)については、前回調査(平成20年度分)との比較検討も含めて小冊子の作成を進めている。日局既収載生薬の改正要望については技術委員会と連携して検討を進めているが、下記生薬の規格項目について、3月14日の生薬等B委員会に提案し、変更が了承された。
①サンソウニンの希エタノールエキス含量:「9.0%以上」を「8.5%以上」
②キョウニンおよびトウニンの純度試験(2)異物:「本品250g以上を取り、異物〈5.01〉に従い試験を行うとき、内果皮の破片0.10%以上を含まない」
③ハッカの灰分:「11.0%以下」を「12.0%以下」


一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
2つのWGで活動を行っている。
①相談・苦情事例G:相談・苦情への回答・対応の検討
②トピックスG:トピックスの収集と共有化
・一般用医薬品関連5団体お客様相談第2回共通アンケートについて、設問内容の確認を行い、4月中旬に配信を行った。

処方部会
「新版一般用漢方処方の手引き」作成
・日漢協担当分として、参考文献を再調査し、注記載への追加の効能・効果の裏付記載確認、参考文献の並び替え(五十音順)等について作業を実施した。
平成24年12月6日に国立医薬品食品衛生研究所(以下、国立衛研)袴塚先生へ作業結果の確認をお願いした。3月中旬に原稿の確定をしていただき、じほう社へ原稿を入稿した。出版は平成25年8月を予定している。

適正使用推進部会
一般用漢方製剤販売時の補助ツール作成について
・一般用漢方製剤の販売時に使用する補助ツール「使用者確認票」の裏面記載する製品一覧の情報
提供依頼があり、平成25年1月7日に国立衛研の渥美先生へ提出を行うと共に最終校でその他項目についても校正作業を協力した。第一次の葛根湯を含む7処方が、2月初旬に完成した。これに伴い国立衛研の合田部長より、使い勝手をみるためのアンケート実施と配布協力についての依頼があり、本来の目的である登録販売者および薬剤師の安全な使用を促進するため、ドラッグストアへの配布について検討を開始した。


生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)

新たな生薬製剤の開発を目標に活動を行っている。これまでの活動経緯や一般用医薬品全体から見た活動の位置付け等について取りまとめ、委員会内で方向性を共有、2つの部会が薬事制度と製剤開発の両面からアプローチすることで生薬製剤の承認基準化ならびに範囲拡大を達成したいと考えている。その環境整備や理論構築のために、関係官公庁・機関や他団体、有識者との連携や情報交換を行っている。
また、「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン(日漢協(一般用)会員会社向け)」とQ&Aを当協会ホームページに掲載した。その他、一般用漢方製剤や残留溶媒等、生薬製剤に関連する対応を共有している。



後山先生による講演会(2013年2月22日)
制度研究部会
新たな生薬製剤の承認取得に向けた枠組みを検討しており、医薬品製造指針における当帰川芎製剤の効能効果を読み替える等して魅力化を検討し、承認基準の素案を作成している。また、生薬末とエキスの配合の取扱いについて検討している。
大阪医科大学 健康科学クリニック 所長 後山 尚久先生に論説レポート「女性保健薬としての一般用生薬製剤(当帰川芎配合剤)に関する一考察 −血の道症としての女性更年期障害からみた処方構成生薬−」を作成いただき、講演会を実施した。専門医による臨床的見地からの解説と有用な示唆をいただき、承認基準(案)策定への活用を検討している。

製剤開発部会
新たな生薬製剤を開発するために、生薬の組合せの検討、エビデンス収集と整理を行っている。当帰川芎製剤の処方構成について、承認基準の素案を作成、理論構築のために構成生薬の婦人科領域における薬効を調査、それらの分類やエビデンス収集・整理を進めている。
また、有識者のレポート等から、新規生薬の配合等について議論を行っている。


原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

平成24年度第6回原薬エキス委員会を、本年2月22日に開催した。
また、平成25年度原薬エキス会議を4月25日に開催し、本年度の事業計画、平成24年度の事業報告などを行った。

1.日本薬局方関係
「日本薬局方外医薬品規格」(局外規)に収載されているアカメガシワエキスなど植物由来エキスについて、日漢協会員会社を対象に直近の製造実績、見直すべき規格項目等について調査を行った。現在集計中である。

2.日本薬局方外生薬規格(局外生規)の改正
平成24年10月に「局外生規2012」が通知されたが、今回の改正から収載生薬に英名が付された。局外生規の検討と同時期に厚生労働科学研究(主任研究者:国立衛研合田生薬部長)で、日局および局外生規以外の生薬の英名についても検討が行われた。それら生薬(66種)の英名が、本年4月15日付けで審査管理課から事務連絡された。

3.生薬製剤承認基準案検討班(HS単味生薬班)
生薬製剤等の承認審査基準の原案作りを目的として研究が行われているHS単味生薬班の平成25年度第1回班会議(通算4回目)が4月19日に開催され、「局方医薬品承認申請の手引」の改訂や、生薬製剤に関する日欧米ガイドラインの比較検討などが行われた。