制作物のご紹介 >> ニューズレター >> 日漢協 ニューズレター 89号

日漢協 ニューズレター 89号

(第30巻 第2号)2013年9月

ご挨拶 調査データに基づいた活動の大切さ

日本漢方生薬製剤協会
副会長
桑野 彰一

日漢協は、本年7月に創立30周年を迎え、これまで多大なご協力とご支援を頂いた行政、関係団体の方々や諸先輩に感謝すべく、5月17日に記念式典と記念祝賀会を開催させていただきました。

さて、この10年を振り返ってみますと、まず大きな出来事としてあるのは、2009年4月の組織改正だと思います。日漢協会員会社の業態を精査し、医療用漢方製剤、一般用漢方製剤、生薬製剤、生薬および原薬エキスの5つの業態別会議体が設置されました。各々の業態別会議体は、それぞれが抱える特有の課題や問題点を明確にし、課題解決にあたるという活動スタイルが、もちろんまだ不十分なところはありますが、定着してきたように感じられます。

このことを象徴しているのが、日漢協で実施した種々の調査データだと思います。直近の調査には、2010年に生薬会議によって実施された2008年度の原料生薬の使用量等調査、2011年の中国産原料生薬の価格調査、同年論文発表された中国産チンピの使用農薬実態調査、また医療用漢方製剤会議によって2011年に実施された第2回漢方薬処方実態調査などがあります。これらの調査結果は、冊子や論文などにまとめられ公表されており、日漢協ホームページにも掲載されています。このような調査データが引き金となり、次のステップに発展するケースもみられます。例えば、2010年の原料生薬使用量等調査がきっかけとなり、2012年11月に農林水産省や厚生労働省も参加して開催された、薬用作物の生産拡大に向けた情報交換会に繋がったものと思います。なお原料生薬の使用量等調査については、2008年度に続く2009年度と2010年度についての調査が終了し、近く調査結果が公表される予定です。また機能別委員会においても、例えば技術委員会では、残留農薬自主基準にもとづく農薬試験の実施状況調査や、3.11以降の放射能汚染に関する調査が実施され、公表されています。

こうした調査データに基づいてものを言うと、聞く側も納得していただけると思います。必要な調査を今後も地道に積み重ね、調査結果に基づいて発言あるいは要望などを提出してゆくことが大切と思います。

私が担当している原薬エキス会議では、会議参加会社を対象に、会議発足直後から調査を開始し、2011年にまとめた原薬エキスに関する調査報告書があります。公表はしておりませんが、チンキ剤、流エキス剤、単味生薬エキス、漢方処方エキスなどいわゆる原薬エキスの種類と規格などについて調査しました。これら原薬エキスに使用されている生薬と漢方処方の数は、合計で約350種あり、また原薬エキスとして流通している製品の数は約730品目もありました。最近、アカメガシワエキスなど日本薬局方外医薬品規格(局外規)に収載されている植物由来エキスについて改正要望があり、これらエキスについて製造実績や規格上の問題点などを調査しました。今後、この調査結果をもとに植物由来エキスについて日局収載などを提案し、改正を図っていきたいと考えています。

日漢協は、創立30周年記念式典と同日に第31回定期総会を開催し、2013年度の事業計画と予算計画を決定いたしました。この事業・予算計画にも、上述した調査に関する考え方が貫かれていると思います。厚生労働省をはじめとする行政、関係諸団体、関係学会におかれましては、引き続きご支援とご協力を賜りたくよろしくお願い申し上げます。

(日本粉末薬品株式会社 代表取締役社長)