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日漢協 ニューズレター 90号

(第30巻 第3号)2014年1月

巻頭言  新年御挨拶

厚生労働省
医薬食品局長
今別府 敏雄

新年明けましておめでとうございます。

昨年は、2020年のオリンピックの開催地が東京に決定され、日本経済再生に向けた期待とともに、日本中が明るいニュースに湧きました。医薬行政でも、成長戦略に関連する法律として、革新的な医療機器や再生医療等製品の実用化の推進等を図る薬事法改正と、一般用医薬品のインターネット販売の仕組みの整備等を図る薬事法改正が、臨時国会で成立、公布されました。

昨年11月27日に公布された薬事法改正は、まず、安全対策を強化するため添付文書の届出義務を創設し、併せて、医療機器の登録認証機関による認証範囲の拡大、再生医療等製品の安全で迅速な実用化のための条件・期限付承認制度の創設等を行うものです。平成18年以来の抜本的な改正であり、旧薬事法以来の60年の歴史のある「薬事法」の名称も「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」となります。施行は、法律の公布後一年以内とされ、今年秋頃を予定していますが、自治体や関係団体と調整し、円滑な施行に万全を期してまいります。

次に、昨年12月13日に公布された薬事法改正は、日本再興戦略(平成25年6月閣議決定)を踏まえ、消費者の安全性を確保した適切なルールの下での一般用医薬品のインターネット販売の仕組みを整備するとともに、指定薬物の所持・使用等に対し罰則を新設したものです。

インターネット販売のルールについて、法律に明確に根拠を置くとともに、医療用から一般用に移行して期間が間もない、いわゆるスイッチ直後品目と劇薬について、医学・薬学の専門家の意見を踏まえ、薬剤師が対面で使用者本人の状態等を判断した上で販売することとしています。医療用医薬品についても、不適正な使用による健康被害の発生を防止するため、医師と薬剤師がそれぞれの専門性を活かし、協働して患者を診る必要があり、現在も薬剤師が対面で販売する仕組みとしていますが、その根拠を法律に規定しました。

インターネットは、購入者とのやりとりの記録を保存しやすいなど、対面販売より優れた点もあり、インターネットで安心して購入できる仕組みの整備は、国民が必要な医薬品を安全に購入できる選択肢を増やすことに資するものです。専門家の関与の下での販売や、乱用等のおそれがある医薬品の販売個数の制限、氏名・年齢等の確認など、安全確保のための適切なルールを整備しますが、併せて、ルールが遵守されるよう、薬事監視の体制強化を図り、自治体等と綿密に連携して、偽販売サイトや違法な医薬品の取締りを徹底してまいります。法律の施行は、公布後六ケ月以内とされており、自治体等とも十分に調整しながら、万全の体制で施行できるよう、取り組んでまいります。

薬物乱用防止対策については、指定薬物の所持・使用等を禁止する法律改正に加え、昨年10月に麻薬取締官に調査権限を付与するなど取締り体制を強化しました。引き続き、覚醒剤や麻薬、大麻などの薬物の乱用防止、啓発活動の推進、薬物密売組織や末端の乱用者の取締りを徹底してまいります。

改正法による対応のほか、「日本再興戦略」を踏まえ、革新的な製品を世界に先駆けて実用化していくため、審査の迅速化と質の向上を実現するための体制の整備を図ってまいります。医薬品医療機器総合機構では、昨年10月に関西支部(大阪市)と薬事戦略相談連携センター(神戸市)を開設し、日本発のシーズの実用化に向けた薬事戦略相談を拡充しましたが、今年4月からは関西支部で製造・品質管理の実地調査もできる体制を整えます。こうした取組により、バイオ医薬品や医療機器、再生医療等製品等の我が国の技術力を最大限に引き出し、医療関連イノベーションを促進していきます。

血液事業については、少子高齢化によって献血が可能な人口が減少する中、将来にわたり血液の安定供給ができる体制を確保すべく、特に若年層への普及啓発活動の強化など、献血の推進に取り組むとともに、献血時の問診の充実や検査精度の向上等により、安全対策の一層の強化を進めてまいります。
最後に、「日本再興戦略」では、薬局・薬剤師について、セルフメディケーションの推進の観点から、地域に密着した健康情報の拠点としての活用の促進が盛り込まれています。在宅医療や地域包括ケアの分野で、医師、看護師等と連携して、かかりつけの薬剤師としての機能の発揮が期待されており、国民の健康を守るため、大いに活躍いただきたいと思います。

国民の生命と健康を守ることこそ厚生労働省の使命であり、日々高まる医薬行政に対するご期待に応えるよう、本年も全力で取り組みます。皆様の一層の御支援、御協力を御願いしますとともに、皆様方のますますの御発展と御多幸をお祈りしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。