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日漢協 ニューズレター 90号

(第30巻 第3号)2014年1月

生薬学教室を訪ねて[60]


鈴鹿医療科学大学薬学部生薬学研究室

植物成分の探索および有効利用
近藤俊哉准教授

日本で最初の4年制医療系大学
「科学技術の進歩を、真に人類の福祉と健康の向上に役立たせる」を建学の精神とする鈴鹿医療科学大学は、平成3年(1991)日本放射線技師会を中心に、三重県、鈴鹿市、日本放射線機器工業会(現・日本画像医療システム工業会)などの支援により開学しました。

当時は鈴鹿医療科学技術大学と称し、保健衛生学部(放射線技術科学科、医療栄養学科)と医用工学部(医用電子工学科、医用情報工学科)の二つの学部からなる、日本で最初の4年制医療系大学としてスタートしています。

平成10年に大学の名称を現在の「鈴鹿医療科学大学」に変更、16年には保健衛生学部に鍼灸学科が増設され、20年に薬学部が開設されました。本年4月には看護学部(看護学科)と大学院薬学研究科の開設が予定され、「知性と人間性を兼ね備えた医療・福祉スペシャリストの育成」を教育理念に、着々と医療福祉系総合大学の地歩を築いています。

900本の桜の木のあるキャンパス


白子キャンパスの正門
開学以来23年になる鈴鹿医療科学大学は、名古屋から近鉄特急で30分余りの鈴鹿市内に、千代崎と白子の二つのキャンパスを有しています。

今年、初めての卒業生が巣立つ薬学部は、900本もの桜の木が植わる白子キャンパスにあり、600人強の薬学生が学んでいます。

薬学部の最大の特徴は少人数教育です。1学年の定員100人に対して50人の教員が配されています。その成果を発揮すべく、この春の初めての国家試験では合格100%を目指して、最後の追い込みに余念がありません。

三重県下で初の薬学部とのことから、三重県や三重大学、三重県薬剤師会、病院薬剤師会、鈴鹿市、鈴鹿高等専門学校、三重県農業研究所等、地域との連携も活発に行われています。

8つの教育分野(物理系、化学系、臨床、薬剤・製剤学、生物系、病態・治療学、衛生薬学、薬理・動態学)から構成される同学部が目指しているのは、①栄養学、東洋医学、福祉学などを身に付けたかかりつけ薬剤師、②がん専門、感染制御専門薬剤師、③創薬(医薬品開発)に貢献できる研究者の養成です。さらに新しい薬学教育として高機能シミュレーターを用いたバイタルサインとフィジカルアセスメントの実習にも取り組み、注目を集めています。

生薬の基原植物の栽培と品質解析


研究室で5年生の学生と
名古屋市立大学、国立医薬品食品衛生研究所、北里大学を経て平成21年に赴任された近藤俊哉准教授が率いる生薬学研究室は、5年生3名、6年生3名の陣容で、薬草園の管理運営にも携わっています。

研究テーマは
①薬用植物に含有される活性成分の探索とその有効利用
②生薬の基原植物の栽培と品質解析
以上の二本立てで行っています。

「昨今は薬草園がらみや農業研究所との連携もあり、後者の研究がメインになっています。国立衛研時代、佐竹元吉先生にこれからは生薬の鑑定スキルが大事になると言われたのですが、よく解りませんでした。しっかりと聞いておけば良かったとの思いがありますね」

今後は約1000平米の薬草園の充実と、学生の学会発表、論文発表を課題としています。