制作物のご紹介 >> ニューズレター >> 日漢協 ニューズレター 91号

日漢協 ニューズレター 91号

(第31巻 第1号)2014年5月

生薬学教室を訪ねて[61]


崇城(ソウジョウ)大学薬学部生薬学研究室

植物由来の生物活性成分に関する研究
吉満斉教授

西日本で最初のDDS研究所

3年後に創立50周年を迎える崇城大学の前身は、1949(昭和24年)に中山義崇初代学長により熊本市九品寺に創設された「電気・電波学校」です。1960年に現在地の池田キャンパスに移転、翌年、君が淵電波工業高等学校が設置され、1965年の熊本工業短期大学の開学を経て、1967年に熊本工業大学が開学しています。

「健康で徳・知を備え科学的思考のできる秀れた人材の育成」を根本的な建学の精神とし、2000年(平成12)、工学部に加えて芸術学部を設置したのを機に、校名を現在の崇城大学に改称しました。

2005年には情報学部、生物生命学部、薬学部の三つの学部が設置され、5学部11学科を擁する総合大学として確たる地歩を築いています。

薬剤師は知的労働者である
「九州からつぎの日本をつくる若い人材を」をキャッチフレーズとする同大学は、就職率の良さにも定評があり、2006年に6年制課程に移行した薬学部もその例に漏れません。薬剤師国家試験の合格率(93.7%以上)も九州一の実績を誇っています。

同学部は創薬化学、生命薬学、環境衛生薬学、医療薬学の四つの講座からなり、薬物動態学、薬化学、医薬品化学、生化学など19の研究室が、「薬剤師は知的労働者である」との理念の下にそれぞれの研究に勤しんでいます。

2011年4月には、西日本で最初となるDDS(Drug Delivery System)研究所が新設され、“Made in Sojo University 夢の次世代型DDS製剤の開発”を推進するための中核拠点として機能しています。

薬そのものから、病院・薬局などの現場に至るまで、薬剤師に不可欠な知識を習得すべく、臨地実習を行う病院・医院、薬局、介護施設、児童福祉施設、心身障碍児施設、行政機関などで1年次から早期体験学習を行っているのも大きな特長です。

南邦産植物の成分研究


生薬学研究室の皆さん
9年前の薬学部の創設時から生薬学研究室教授の任にある吉満斉先生は大塚製薬、九州共立大学を経て赴任され、現在、同研究室は、吉満教授、池田剛教授、宮下裕幸講師と6年生7名、5年生、9名の19名がメンバーとなっています。

植物由来の生物活性成分に関する研究をテーマとし、今、主に取り組んでいるのは
①生薬イカリソウのAGEs生成阻害物質の探索研究
  −プレニルフラボノイドの立体化学の検討−
②アテモヤ果実の成分研究

前者は熊本大学医学部大学院、東海大学農学部との共同研究で、糖尿病合併症や動脈硬化症、アルツハイマー病に関与する糖化終末化合物の生成を阻害する天然化合物の探索を行っています。

後者は新たな薬用資源並びに機能性物質の探索(特定保健用食品などの開発)に視点を置きながら、植物に含まれる有機化合物などの成分研究に取り組んでおり、今後の成果が期待されています。