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日漢協 ニューズレター 93号

(第31巻 第3号)2015年1月

日漢協の動き


中国甘粛省訪日団と情報交換

12月8日(月)日中科学技術文化センター(東京都千代田区)において、訪日中の甘粛省農業科学院(農科院)のメンバーと情報交換会を開催した。訪日した一行は、中薬材(生薬)栽培のスタッフがメインの12名、日漢協側は渡邊常務理事をはじめとした、関係する委員会メンバーなど8名が出席した。農科院の李敏権副院長と渡邊常務理事から両者のメンバー紹介が行われ、それぞれの組織を紹介した後フリーディスカッションとなった。生薬の育苗や栽培管理そして収穫用の機械の開発に至るまで、双方の現状について情報交換が行われた。甘粛省は生薬栽培のトップだという自負もあり、日本との取引に意欲的であることが窺われた。


日漢協訪中団報告会開催

10月19日から4日間、加藤会長を団長とする訪中団が、北京の生薬関連機関7団体を訪問した(日漢協ホームページにて「日漢協訪中団大きな成果」として既報)。その成果報告会を、10月30日(木)日漢協会議室(東京都中央区)において報道関係者を対象に開催した。当日は、一般紙や業界紙など10社が参加し、渡邊常務理事、浅間生薬委員長、栗田薬制委員長そして富塚技術委員長が、訪問先における説明内容とその成果を報告した。中華人民共和国国家衛生・計画生育委員会の王國強副大臣が訪中団を歓迎する挨拶の中で、漢方医学と中医学の医療に対する貢献の充実と日漢協の活動に期待感を示したことについて、興味を持たれた記者から詳細を理解するための質問などがあった。業界紙4紙に記事が掲載され、今後も今回の内容が引用された情報発信が行われるものと思われる。

第17回市民公開漢方セミナー
漢方に教えられたこと、気づかされたこと
11月20日(木)、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で第17回市民公開漢方セミナーが開催された。大阪大学大学院医学系研究科の萩原圭祐先生を講師にお迎えし、「漢方に教えられたこと、気づかされたこと」をテーマとしてご講演いただいた。大阪でのセミナー開催は15年ぶりであったが、280名の聴講者が参加し熱心に聞き入っていた。さらに、アンケートの回答率が8割を超えるという記憶に残るセミナーとなった。


●大阪道修町と薬
まず始めに、大阪道修町には日本で有名な製薬企業の本社が多く集まり、製薬の聖地として知られていることが紹介された。さらに、大阪での医学の歴史に触れ、「適塾」を開いた緒方洪庵先生について話された。最初は「蘭学」の医師と思っていたが、「漢方」と「蘭方」を折衷して使用していたことを知り、自分と同じような考えを持った先生方が江戸時代にもいたことを強調された。

●漢方と体質改善
漢方薬(エキス剤)は、基本的にはインスタントコーヒーのように溶かして、ゆったりとした気持ちになって飲む、こういう時間を持つ事が治療上大事である。さらに、漢方薬を飲んで治ったときも、ただ良かったと思うのではなく、自分の体質をよく認識して、生活習慣の改善に努めることが重要である。江戸時代の貝原益軒は「養生訓」の中で「健康を維持するためには、先ず、養生に心がけることが大切、鍼灸や薬に頼り過ぎない」と記していると述べられた。
漢方医学の古典では、女性は七の倍数、男性は八の倍数の年齢ごとに生命エネルギー(腎気)の盛衰があるとしており、人のライフステージを意識した医学といえる。人をいきなり「ある時点」だけ診るのでは無く、子供の時からお年寄りになるまでを意識している。そして生命エネルギー(腎気)が損なわれる要因として「内因としての不安」「甘い物の摂り過ぎ」「働き過ぎ(老倦)」「房事不節(パートナーとの不適切な関係性)」の四つを挙げられた。また、不安にならないためには「腹が据わること」が重要であり、「腹が据わる」とは「物事に動じない」「度胸が据わる」ことを意味し、日本独自で発展した「腹診」の中にその答えがあり、少腹(丹田)を鍛える意識が重要であると話された。


●漢方に教えられたこと、気づかされたこと
物事をただ何となく局所だけを捉えて診るのではなく、全体を診ていく視点、「心」と「体」が関連していること、対話の重要性(医療関係者と患者さん、患者さん自身も自分の「心」と「体」との対話をしていくこと)、今日の話で少しでもお役に立ったことを祈って、結びのことばとされた。



【書籍紹介】

発行者:南山堂A5判
「不眠症」133頁、「冷え症」133頁、「月経関連症候」105頁

横浜薬科大学漢方薬物学研究室の石毛敦教授と鈴鹿医療科学大学鍼灸学科の西村甲教授らが執筆した「症候別漢方治療」シリーズが出版されました。

このシリーズは「不眠症」「冷え症」「月経関連症候」であり「漢方方剤をできるだけやさしく、漢方医学を学んでいない人でも理解できるように」をコンセプトで立ち上げられました。患者様の特徴をカラーのイラストで表し、さらに症候を提示することで、どのような症状にどのような漢方薬を使えばよいかをイメージできるようにまとめてあります。漢方薬治療の診断を苦手とする医師でも理解しやすい内容となっています。今後も続編が出版される予定です。

国内薬用作物栽培のブロック会議開催

厚生労働省、農林水産省および日漢協が共同して開催する「平成26年度薬用作物の産地化に向けたブロック会議」が、10月24日の北陸ブロックを皮切りに最終回の11月26日北海道ブロックまで、全国8か所で行われた。

当協会は、2013年も両省と共同して、薬用作物(原料生薬)の産地化を志向する地域の都道府県や市町村の担当者、関連団体および生産者の皆様に対し、漢方製剤や生薬の生産動向や医薬品としての原料生薬などについて説明し、意見交換を行うブロック会議を開催した。その結果、全国から薬用作物の栽培を希望する要望書が137件提出され、そのうち45件が個別折衝に進み、現在、14道県18団体(生産者)と当協会会員会社(実需者)との間で試験栽培などの契約が成立するという良好な成果が得られた。


2014年に入っても生産者と実需者双方が、引き続き情報交換・共有の場を設けることを希望していることから、ブロック会議を開催した。今回は、各農政ブロック宛ての開催通知の他に、報道機関にも告知してもらい、参加を希望する多くの方々に周知していただいた。その結果、各ブロックとも前回を超える参加者が集まり、品目名を挙げての質問など、より具体的な情報交換が行われ、充実した会議となった。

今後、日漢協では、全国から提出される要望書をとりまとめ、円滑に企業とのマッチングを進めていく。

◆お知らせ◆
「日漢協ニューズレター」がweb版に!


日本漢方生薬製剤協会(日漢協)の活動を紹介している「日漢協ニューズレター」は、2015年5月発行のNo.94から、web版に移行します。保存性が高く、多くの方がアクセスできるデジタルメディアの特性を生かしたweb版は、誰でも必要な時にアクセスし情報を入手できます。漢方・生薬に関わる各界の皆様からご提言いただいている巻頭言、日漢協の正副会長の挨拶、そして各委員会の活動報告、さらにロングシリーズの「生薬学教室を訪ねて」や著名人が登場する「私の健康法」は引き続き掲載予定です。従来のweb版の他に、PDF版を掲示しますので、プリントアウトすることで冊子媒体と同等の体裁でご覧いただくことも可能です。また、年3回発行であったニューズレターでは、日漢協のイベントなどの報告が、かなり時間を経てからの掲載になっていましたが、今後は速やかにwebに掲載されます。生まれ変わる「日漢協ニューズレター」にご期待ください。

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