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日漢協 ニューズレター 94号

(第32巻 第1号)2015年5月

ご挨拶 〜生薬会議における活動〜

日本漢方生薬製剤協会
副会長
内田 尚和

日本漢方生薬製剤協会副会長の重責を仰せつかってから、はや8年が経過し、気がつけば副会長の中でも最古参となってしまいました。この間に生薬を取り巻く環境は大きく変化しており、会員会社のご支援、ご指導のもとに協会一丸となって活動を進められておりますことに厚く感謝を申し上げます。

さて、生薬会議では、他の会議体ならびに専門委員会との連携、ご助力の下、平成24年度を初年度とした日漢協の「中長期事業計画2012(5ヵ年計画)」における最優先課題として掲げられている「原料生薬の品質確保と安定確保の推進」に取り組んでおります。

ご存知のとおり、昨今、中国における原料生薬の価格が急激に高騰し、生薬をご利用される皆様に大きな影響を及ぼしています。この状況について、第2回中国産原料生薬の価格指数調査を実施させていただき、その結果、主要30品目における平均価格指数は、平成18年を100とした場合に平成25年は213となっており、価格面における原料生薬の厳しい実態の一端をお示しいたしました。さらに昨年は急激な円安が進行したことから、2014年(平成26年)分についても急ぎ調査を実施させていただきました。また、原料生薬の使用量については、4月に発刊した「原料生薬等調査報告書(3)_平成23年度および24年度の使用量_」において、平成24年度の生薬の使用量が平成20年度に比べて24%ほど増加していることや中国産のみならず日本産生薬の需要も増加していること等を明らかにいたしました。

このような状況の中、日本産生薬の生産拡大に向けて、農林水産省や厚生労働省のご指導をいただき、「薬用作物の産地化に向けたブロック会議」を平成25年度に引き続き平成26年度も両省と共催させていただくことが適いました。各都道府県農政部のご協力も賜りましたところ、薬用作物の生産を希望する団体や生産者より130を超える要望票を日漢協にご提出いただき、現在、生産者と実需者(日漢協会員会社)とのマッチングに向けての折衝がスタートしています。また、薬用作物の栽培時における医薬品原料としての管理やトレーサビリティ確保に取り組むための一助とすべく、日漢協版GACPである「薬用植物の栽培と採取、加工に関する手引き」を作成、英語版、中国語版を加えて冊子化させていただきました。

また品質面の安定確保においては、中国産生薬の使用農薬調査結果に基づいて作成した「薬用植物栽培における使用農薬の実態調査(第2報)中国産タイソウの使用農薬」が、『生薬学雑誌』第68巻に論文掲載されました。今後も原料生薬の品質確保を推進する活動の一つとして、引き続き使用農薬調査に取り組んで参ります。

国民医療の中で重要な役目を担う漢方製剤、生薬製剤、その礎となるのは原料生薬であります。当協会には、薬価や国際対応など、今後も引き続いて取り組まなければならない事柄が多くございます。これからも「原料生薬の品質確保と安定確保」に向けて、加藤会長の下、会員各社、関係会議、委員会のご協力を賜り、また行政や関係団体からご指導をいただきながら、一丸となって取り組んで参ります。

今後ともご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。