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日漢協 ニューズレター 94号

(第32巻 第1号)2015年5月

生薬学教室を訪ねて[64]


帝京平成大学薬学部 石井 竹夫 准教授

植物と人間の係わりに関する研究
石井 竹夫 准教授

実学の精神を基とし
帝京平成大学は1987年(昭和62)、千葉県市原市に帝京技術科学大学の名で開学、情報学部が開設されました。現在の校名に変更したのは20年前の1995年(平成7)でした。 その後、2002年に健康メディカル学部、2004年に薬学部、ヒューマンケア学部を開設、2005年に情報学部を現代ライフ学部に改組、2008年、池袋キャンパスのオープンと共に地域医療学部が開設され、現在に至っています。

医療、健康、福祉、情報、教育を軸とする同大学のキャンパスは本部のある池袋をはじめ、中野、千葉(市原市)、ちはら台(市原市)、幕張(千葉市)の5か所に別れ、都市型総合大学と称されています。

「実学の精神を基とし、幅広い知識と専門分野における実践能力を身につけ、創造力豊かな逞しい人間愛にあふれた人材を養成する」と、建学の精神にも謳われているように、実学教育を基本とし、社会に出てから即戦力となる実践的な講座を展開しています。帝京大学、帝京科学大学は姉妹校で、一大帝京グループを築いています。

都心回帰で競争率アップ


中野キャンパス
「我が国の医療から求められる、高い専門性を備えた薬剤師を育てる」を薬学部理念とする同学部は、2年前に開設された中野キャンパスにあり、JR中野駅から10分足らずという好立地のため、入試の競争率も一気に高くなっています。

薬学科の定員は240名、学生の出身地は全国的になり、1、2年生は女性の比率が多くなったそうです。6年制の薬学教育は「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に沿って行われています。1年次前期に早期体験学習として病院、薬局、製薬企業、医薬品卸物流センター、薬用植物園、保健所などを見学、4年次にはヒューマンケア学部看護学科との合同講義が開かれ、多職種による地域医療連携についてグループディスカッションを行っています。

薬膳料理を用いて園芸療法を支援


実験室
同学部の組織は6つの部門・センターから成り、その下に19のユニットがあります。漢方・生薬に関わるのは薬学教育推進開発部門に属する薬物治療系薬学教育と社会薬学教育研究センターに属する薬局機能評価学の2つのユニットです。

石井竹夫准教授が担当するのは薬物治療系薬学教育ユニットで、メンバーは卒業研究生の6年生が3人、5年生が2人で構成されています。千葉大学から獨協医科大学薬理学教室、テルモ研究開発センターを経て6年前から現職に就かれた石井准教授は異色の研究者として知られています。人間は植物と接することにより癒されるとの考えから、「植物と人間の係わりに関する研究」をテーマとし、
①現代病に対する漢方と西洋薬の治療法に関する比 較研究
②薬膳料理を用いて園芸療法を支援するプログラム の制作と実践
③煎じ容器による生薬成分の抽出と分解に及ぼす影響
④植物と文学の係わりに関する研究
以上の4つの視点から研究を進めています。この中で注目されているのが②で、現代病に汎用される漢方薬の構成生薬をヒントに薬膳料理のレシピを考案し、その薬膳料理を大学内で試作研究するとともに横浜の日本園芸療法研修会(澤田みどり代表)の実践施設で試食してもらっています。今後は高齢者が育てた野菜を取り入れたレシピを考案し、薬剤師として園芸療法を支援したいと意欲を燃やしています。