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日漢協 ニューズレター 98号

(第33巻 第2号)2016年9月

巻頭言  日本漢方生薬製剤協会への期待

日本製薬団体連合会
会長

多田 正世

本年5月に、日本製薬団体連合会(日薬連)会長に選任頂きました多田正世でございます。日本漢方生薬製剤協会(日漢協)の皆さまにおかれましては、日頃より、日薬連の活動に多大なるご協力、ご支援を頂き誠にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。

さて、超高齢社会を迎える中、健康長寿社会の形成に向けた取り組みにおいて、漢方医学に基づく治療は、西洋薬にはない効能・効果、自然素材の安心感等から、年々需要が増加しており、国民の健康増進に重要な役割を担っていると理解しております。

ご承知の通り、2015年9月に厚生労働省より策定された「医薬品産業強化総合戦略」において、伝統的な医薬品である漢方製剤は、質の高い製品の安定的な供給が求められております。そのためには、原料である生薬の「品質確保の強化」と「安定確保の推進」に向けた対策は、最も重要な課題であると認識しております。

さらに、2015年12月に示された「がん対策加速化プラン」では、療養生活の質を向上させ、患者さんが無理なく仕事と治療を両立するため、漢方薬を用いた支持療法に関する研究に言及され、科学的エビデンスの集積も求められております。

このような課題や要望に対し、貴協会は加藤会長の強いリーダーシップのもと、様々な取組みを実行されております。

高品質な生薬の安定確保には、その80%超を中国に依存している現状を踏まえ、定期的に中国政府や関係当局等と意見交換を行い、品質強化や安定供給にむけた取組みを実施されております。また国内では、生薬栽培の推進を支援する取組みに注力されております。その他、科学的エビデンスの集積についても、日本東洋医学会に協力しエビデンスレポートの作成、ガイドラインへの反映に尽力されております。

これらの取組みを推進することは、生薬および漢方製剤等の品質を強化し、漢方医学による治療を安定的に供給できる環境を作り上げ、ますます国民の「心と身体の健康増進」に寄与すると考えております。

加えて我が国は、超高齢化・人口減少などに対応する持続可能な社会の実現を目的に「地域包括ケアシステム」の構築を目指しております。高齢者が、住み慣れた地域で最期まで自分らしい生活を送ることができる社会を実現するために、どのような役割を果たされるのかは大変重要な課題ではないかと考えております。今後高まるニーズに対して、貴協会が主体的に取組んで頂けることを期待しております。

最後になりますが、本年は漢方製剤が医療用医薬品として、薬効分類に新設されてから40年という節目の年であると伺っております。

この記念すべき年に、健康長寿社会の形成に向け一翼を担われる貴協会が、独自性を活かし、さらなる飛躍を遂げられるよう、日薬連として連携していきたいと考えております。