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日漢協 ニューズレター 98号

(第33巻 第2号)2016年9月

生薬学教室を訪ねて[68]


東北大学大学院薬学研究科 医薬資源化学分野 大島 吉輝 教授

身の周りの生物資源に“くすり”を求めて

日本の大学で初めての女子大生
「門戸開放」「研究第一主義」「実学尊重」を理念とする東北大学は、明治40年(1907)、東京大学、京都大学に次ぐ国内で三番目の東北帝国大学として設立されています。

大正2年(1913)には当時の政府からの圧力をものともせず、日本の大学で初めて3名の女子の入学を許可、同大学の三大理念の一つである「門戸開放」を広く世に示し、仙台にに東北帝大在りと大きな話題となりました。

戦後、昭和24年(1949)の学制改革で東北大学となり、現在は10学部(文、教育、法、経済、理、医、歯、薬、工、農)、大学院17研究科、6研究所を擁する東北地方随一の総合大学として揺るぎのない地歩を築いています。

前身は第二高等学校医学部薬学科
薬学部は昭和32年(1957)に設置の東北大学医学部薬学科を母体に、昭和47年(1972)に開設されました。その歴史をさらに追うと医学部の前身であり、明治23年(1890)に設置された第二高等学校医学部薬学科に遡ります。

126年もの長い歴史を有する同学部は東北地方における唯一の国立薬学研究機関であり、幾多の変遷を経つつ数多の人材を輩出してきました。平成11年(1999)からは大学院大学としての薬学研究科がスタートしています。

青葉山キャンパスにある薬学部は、創薬科学の発展に貢献する人材を育成する4年制の創薬科学科と薬の専門家として医療に関わる6年制の薬学科から成り、それぞれ創薬科学の発展に寄与し得る人材と薬の専門家として医療の一翼を担い得る人材を育成しています。

天然資源の生物活性成分の化学的・生物学的研究


大島吉輝教授


薬草園入口のユニークな看板


薬学研究棟
薬学研究科は分子薬科学・生命薬科学・医療薬学の3つの専攻から成り、分子制御化学など9つの講座のもとに23の分野があります。

大島吉輝教授が率いる医薬資源化学分野は、分子解析学講座に属し、菊地晴久准教授、共同研究員、研究支援者と14名の学生(博士課程3名、修士課程 7名、4年生4名)の18名の陣容となっています。

大島教授は初代の竹本常松教授、二代目の野副重男教授に続く三代目で、平成8年(1996)に青森大学から着任、以来、新時代にふさわしい天然物化学を構築するべく未開拓天然資源から新奇性を持つ天然物の発見を目指し、研究に勤しんでいます。

昭和36年(1961)に設置された当初の名称は生薬学講座、二年後の昭和38年に生物薬品化学講座に改称され、平成11年から医薬資源化学分野に変わっています。

研究テーマは、天然資源の生物活性成分の化学的・生物学的研究。眠る遺伝子と呼ばれる未利用遺伝子を人為的に発現させることによって新しい物質を創り出し、創薬に有用な物質を探索しています。

その成果の一つが平成28年度日本薬学会奨励賞を受賞した浅井禎吾助教(現東京大学大学院総合文化研究科)の「エビジェネック制御を利用した糸状菌未利用遺伝子の活用と多様な天然物の創出」です。今後の研究の発展が期待されています。

大島教授が園長を務め、大学の薬用植物園としては全国一の広さ(52.956m2)を誇る附属薬用植物園では、1,200種の植物を観察することができ、多くの人々に親しまれています。