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身近な漢方 -女の更年期、男の更年期-

第2章 性ホルモンの変化と更年期


性ホルモンの減少が更年期の原因となる
西洋医学からみて、更年期の症状は、性ホルモンの減少が原因となって起こると考えられます。性ホルモンには、女性ホルモンとよばれるエストロゲンや、男性ホルモンと呼ばれるテストステロンなどがあります。性ホルモンは思春期のころから女らしさ、男らしさを作りますが、40歳後半になると減少してきます。長い間性ホルモンの存在になれた体の機能が、性ホルモンの減少でバランスをくずし、さまざまな不都合な症状が重なって現れたのが更年期です。
ということは、減少した性ホルモンを補充すれば、更年期障害は改善されるはずです。その考えから、欧米では30年程前から女性に対するホルモン補充療法が広く行われており、最近では男性へのホルモン補充療法も一部実施されています。

● 女性のホルモン補充療法
エストロゲンを注射やパップ剤(貼り薬)で投与します。のぼせや汗をかきやすいとういうホット・フラッシュには非常によく効きます。しかし、冷え・のぼせや手足のしびれ、関節痛などは、ホルモン補充療法だけでは完全には治療できません。
また、乳がんの副作用の危険性がある程度考えられるので、エストロゲン投与を受けている人は、定期的に検査をする必要があります。

● 男性のホルモン補充療法
テストステロンを注射します。日本では、完全に認知された治療法とはいえません。男性機能の回復は期待できますが、闘争的になり、凶暴になる危険性が指摘されています。
ホルモンは多種多様な作用をもつ不思議な物質です。人工的に補充する場合は、ほかの臓器や精神面への影響も考慮して慎重に行うことが大切です。

■ コラム : 「人生の周期、女は7年、男は8年?」

1800年ほど前に中国で書かれた医学書、黄帝内径(こうていだいけい)には、人間の一生の変化を、女は7年、男は8年の周期で説明しています。すなわち、女性は7歳でエネルギー(腎気)が充実しはじめ、14歳ごろに生理が始まり、妊娠可能になり、21歳でからだが充実してきて、28歳でもっとも盛んな時期をむかえ、35歳頃からだんだん下り坂になって48歳で閉経を迎える。男性は、8歳で腎気が充実し、16歳で生殖能力をもち、24歳でからだが充実、32歳ごろに最も盛んな頃を迎え、40歳になると下り坂になって、48歳から56歳ごろに生殖能力、腎気の衰えが著しくなる、という考え方です。現代社会ではやや歳の周期がずれてはいますが、性ホルモンの影響で変化する体の状態をよく表現している考え方といえます。
こうしてみると女性も男性も、更年期は腎気、精気の下り坂が終わる、その前後に一致します。2000年近い古代に、これだけのことが把握されていた、その観察眼には脱帽です。