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もう生活習慣病に負けない!

健康寿命を延ばす知恵 −養生−


数千年前から健康寿命に注目していた東洋医学
生活スタイルに注意して、生活習慣病を未然に防いで健康寿命を延ばそうという考えは、西洋医学ではつい最近の考え方ですが、東洋医学ではすでに数千年前から同様のことが言われてきました。  東洋医学では未病、すなわち病気になる前の段階で患者を健康な状態に戻すことが最も優れた医療と考えます。そしてそのためにはまず、生活習慣を整える「養生」に人を導くことが重要とされています。まさに生活習慣病の予防にぴったりの考え方と言えます。

■ コラム : 昔からの知恵:素門

今から約2000年前にまとめられた「黄帝内経・素問」は、漢方治療の基本理念をまとめたすぐれた書物として知られています。この素問には、節度ある飲食、過度の欲望を持たない、ほどよく身体を動かす、質素な食事と衣服で暮らす、自然なままの生活を送る、という養生の心得が書かれています。これらはまさに生活習慣病の予防に適した考えです。生活習慣病の予防に漢方が見直されているのは、こうした考えが基本にあるからと言えます。
素問には何事にも無理をしないで、中庸を心がけることで、寿命を延ばすことができると述べられています。最近科学的にも人間の本来の寿命は100歳くらいということがいわれるようになっています。それが2000年以上も前の書物で指摘されていたことは驚きです。

養生の実践 −食事−
具体的な養生の実践方法をみていきましょう。
食事については、粗食が寿命を延ばすと素問では説いています。表2 の食事チェックでみなさんの食事の内容を見直してみましょう。肉や卵、揚げ物、炒め物、洋食は養生にはあまり適していません。育ち盛りの年代は別として、和食を基本にした、野菜中心の低カロリー食が理想です。
肉、魚、大豆製品、卵はいずれもタンパク質ですから、このうちどれか一品をとれば十分です。中でも肉は、コレステロールや脂質が多いので、ひかえめにし、魚や大豆製品を多く食べるようにしたいものです。
また、毎日砂糖のたくさん入った甘いものを食べるのも危険です。甘味はかぼちゃやさつまいもなど、自然の甘さでとるようにしましょう。
あとは、ゆっくり食べてしっかり噛むことをこころがけることで、養生の実践になるのです。


■ 和食は長寿食

和食は脂肪、特に老化を早める飽和脂肪酸とコレステロールが少なく、タンパク質源は大豆などの植物性か、もしくは脂肪の少ない魚が中心です。また、食物繊維、抗酸化物質が多いという、生活習慣病の予防には最適の食事と言えます。

養生の実践 −運動−
最近、運動の重要性が科学的にも指摘され、生活習慣病の予防や治療には運動療法は欠かせないものになっています。
この運動も、東洋医学では養生の基本として古くからとりいれられてきました。運動といっても難しいものではありません。毎日30分以上歩くようにするだけで効果があります。また忙しくて30分も歩けない、という場合は深呼吸やストレッチをするだけでも身体は違ってきます。また、たまには腹の底から大声を出すことも、身体をリラックスさせる効果があります。これなら、仕事や家事の合間に簡単にできます。
養生で言う運動の目的は、身体を鍛えることではなく、心身のリラックスと生命活動のバランスを整えることにあります。週に1回運動ジムでトレーニングすることよりは、毎日すこしでも身体を動かすことを続けるほうが、養生には適しているのです。

養生の実践 −日々の暮らし方−
養生の基本は、自然界の動きに逆らわずに、そのエネルギーを上手に取り入れることにあります。人間は、夜寝る生き物です。その大原則を狂わせないように、夜は遅くても12時前には寝るようにしましょう。
また、つまらないことにイライラせず、ストレスを貯めないようにすることも大切です。そのためには、趣味を持ったり外の風景をながめたり、式を感じるゆとりを持つことも効果的です。

■ 四季を感じていますか?

養生では、季節を重視します。季節は自然界のエネルギーの流れの変化であり、その変化に合わせて我々人間も生活スタイルを変えていく必要がある、というのが養生の考えです。四季の養生を簡単に紹介します。現代社会ではすべてを実践することは難しいかもしれませんが、少しでも四季を感じてこうした生活スタイルに近づこうと心がけるだけでも意味があります。
● 春の養生
生命エネルギーがあふれている季節。朝は早く起きて、散歩などでのんびり身体を動かし、そのエネルギーを取り込むよようにする。そのかわり、夜は日暮れ数時間は起きていてもいい。

● 夏の養生
春に盛んになったエネルギーが、天地の陰陽で興隆し、いろいろなものが発生する、育成の時期。この時期は多少睡眠が少なくても良く、早起きと日暮れ後数時間の夜更かしは可能。暑さをいやがらず(クーラーに頼りすぎず)、怒ってはいけない。陽気が盛んなので、身体を動かしたり深呼吸することで、身体のなかの陽気を発散させるようにする。

● 秋の養生
収斂の季節。実りの季節であると同時に、木の葉が落ちたり、勢いがなくなる時期。この季節には、活動をつつしみ、早寝早起きを心がけ、心を安らかにして、体のなかにとりこんだ陽気、つまりエネルギーを失わないように暮らす。

● 冬の養生
閉蔵の季節。自然界の陽気が遠ざかっているので、体の中の陽気を失わないように、夜は早く寝て、朝はゆっくり起きる。欲望をつつしみ、満ち足りた気持ちを持ってエネルギーが漏れ出さないようにする。