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加齢はこわくない -すてきに歳を重ねるために-

加齢変化は治療できるの?


加齢に伴う変化とは
加齢現象と一口に言いますが、その中にはいろいろなものがあります。

外見上の変化で言うと、肌の張りがなくなってしわが増える、シミが出る、毛髪の抜ける量が増える、白髪の増加、などが見られます。身体の機能の変化では、女性は閉経後の女性器の萎縮、男性は勃起不全などの生殖器に関する変化も起こります。また、頻尿などの泌尿器系の症状も出始めます。消化器系の働きが弱まって食欲不振にもなります。関節痛や神経痛といった痛みを感じやすくなるのも加齢変化の一つです。さらに、目に見えない、痛みなども感じない変化として、脂質代謝や骨代謝の異常、血管のしなやかさがなくなる、といった変化もひそかに進んでいる場合もあります。

こうした変化のうち、外見上の変化はいかにも「老け込んだ」という印象を自分や周囲に与えることになって、はつらつとした気力を削ぐことになります。痛みや頻尿などは、日常生活の支障となって生活の質を低下させます。骨代謝の異常で骨密度が低下すれば骨粗鬆症‐骨折となって、それが寝たきりの原因になったりもします。

そしてもっと怖いのは、脂質代謝や血管の変化で、これは肥満や動脈硬化の進行に関わり、それが糖尿病や心筋梗塞、脳血管障害などの引き金になっていくのです。
加齢変化を減速させる
こうした加齢に伴う変化に対して、私たちはどのようなことができるのでしょうか。

加齢に伴う変化のうち、代謝異常など明らかに病的だと思われる状態は別として、他の多くの加齢変化は緩やかな右肩下がりの曲線で年々低下していく、誰にでも訪れる自然現象です。この低下を全くなくして、いつまでも若いときと同じ体力と気力を維持する方法はありません。しかし、この曲線の下がり具合を遅らせることならできます。「加齢変化の減速」は、ちょっとした心がけで可能なのです(図2)。

そのためには、まず生活習慣を見直すことです。栄養バランスの良い食事、適度な運動、規則正しい睡眠をとり、ストレスをためすぎず、四季の変化を感じる等、めりはりのある生活を送るだけでも、加齢変化を遅らせる効果は十分にあります。

次に、すでに病的な状態にある代謝異常などを正します。これは、大きな疾患として現れる前の段階に行なえば、それほど難しいことではありません。これは、西洋医学では予防医学、東洋医学では「未病を治す」という考え方に近いものです(6頁参照)。また、生活の質を低下させる不快な症状を治療することも可能です。こうした不快な症状は漢方治療が得意とするものが多く、10ページ以降に示すように、その効果が科学的に証明されているものも少なくありません。

このように、いろいろな面から総合的にアプローチをしていけば、加齢変化を遅らせて重大な病気の予防もできて、老後をいきいきと過ごせることになるのです(表3)。