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加齢はこわくない -すてきに歳を重ねるために-

漢方と予防医学


早ければ早いほど、治療は簡単に
加齢に伴う症状を見ると、初めはわずかな異常だったものがだんだん深刻なものになっていくのがほとんどです。こういった症状は早く異常を治すことが大事で、症状が進むほど軌道修正が難しく、ついには「病気」になってしまいます(図3)。

一般に、西洋医学ではこの「病気」になった段階で治療を開始しますが、漢方治療では、それよりも前の段階の、わずかな異常も治療の対象として考えます。こうしたわずかな異常は検査値の異常としても現れてきません。患者さんの訴えを良く聞き、脈や肌や声の調子、舌や腹部の張りなどから、身体の機能のバランスの乱れを見つけるのです(図4)。
漢方の「未病」と西洋医学の「早期発見」
西洋医学でも最近は、生活習慣病を中心に、発症前にその原因を取り除く「予防医学」という考え方が重視されるようになってきました。

漢方治療では、この「予防医学」が最も優れた治療であるという考え方が基本になっています。西暦600年頃に書かれた中国古典の医学書「千金要方」には、医者には上医、中医、下医の3段階があり、最も優れた医者、つまり上医はまだ病気になる前の状態(未病)を治すことだ、という考え方が記されています。これは、予防医学の考えがすでに1400年近く前からあったことを示す記述です(表4)。

近年は、西洋医学でも8割近い医師が漢方薬を使っているという調査結果もあり、現代医学の中に漢方薬が取り入れられるようになっています。予防医学の考え方の普及で、これまでの西洋医学では治しにくい症状も治療の対象として考えられるようになっている今、漢方薬の使用頻度がますます高くなっていると言えます(図5)。