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加齢はこわくない -すてきに歳を重ねるために-

科学的に証明されている加齢現象への漢方の作用


科学的に証明された漢方治療の効果
前ページでも触れましたが、最近ではいろいろな種類の漢方薬について、その治療効果が科学的に証明されるようになっています。加齢に伴う症状に対しても、その効果が科学的に証明されており、西洋医学の医師からも認められるようになった漢方薬がたくさんあります。そのいくつかを、症状別にここで紹介します。
頻尿
加齢とともに、夜間頻尿の訴えが増えてきます。こうした膀胱症状には八味地黄丸や牛車腎気丸がしばしば使われます。

牛車腎気丸に関しては、膀胱の収縮力を弱めることなく、膀胱の過敏性だけを改善する作用があることが動物実験で証明されています。このことは、トイレに行きたいという切迫感は改善するけれども、いざおしっこをした時は、膀胱内の尿をきちんと出し切ることができることを意味しています。

西洋薬にも頻尿を改善する薬が何種類かありますが、この中には膀胱の収縮力を弱める作用を持つものがあって、残尿などの問題が指摘されています。これは、そうでなくても膀胱の収縮力などが弱っている高齢者には困った問題です。特に前立腺肥大があるような場合は、おしっこが出にくくなるのは重大問題です。これに対し牛車腎気丸は膀胱の過敏性を改善するだけで収縮力は弱めないのですから、高齢者には特に朗報です。
しびれや関節などの痛み
牛車腎気丸はこの他に、高齢者の関節痛や下肢のしびれ、腰痛など、痛みに関連した症状にも良く使われます。

高齢者では痛みに過敏になっていることが多く、その場合には強い炎症や神経疾患がなくても痛みを強く感じてしまいます。この種の痛みには、西洋医学で使われる鎮痛薬などはあまり効果を発揮できません。

これに対し、牛車腎気丸は痛みに対する過敏性を抑える作用があることが、動物実験で認められています。それらのデータと臨床実績から考えて、普通の鎮痛薬が効かない場合や胃腸が弱くて鎮痛薬が使いにくいといった患者さんに、牛車腎気丸が良く使われます。
冷えが強い痛み
四肢や下肢の冷えが強く、腰痛や関節痛などがある場合は、牛車腎気丸のほかに当帰四逆加呉茱萸生姜湯なども良く使われますが、この漢方処方についても牛車腎気丸と同様、痛みに過敏になっている場合に鎮痛作用を発揮することが証明されています。

このほかに疎経活血湯も、痛みに過敏になっている症状に対して同様の効果が認められています。
「燥」の症状に対する漢方
「乾く」ということも、加齢現象で良くみられます。

.肌や目の潤いが減って、乾燥肌、皮膚掻痒症、ドライアイ、コロコロのウサギの糞のような便しかでない便秘、喉の渇き、空咳、痰が絡む、陰部の乾燥による性交痛(ドライ・バジャイナ)といった「ドライ」の症状が、加齢とともに起りやすくなります(表6)。

これらの漢方に含まれる成分は、滋潤作用があるとされる地黄、麦門冬、人参や石膏などが含まれた漢方薬が使われます(表7)。