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漢方は女性の健康をたすける



漢方は、紀元前に中国で発祥した医学を輸入し、日本で独自に育てて、体系づけたものです。近年は健康保険が適用されることもあり、一般の医療機関でも多くの医師が処方するようになりました。漢方は、西洋医学とは病気に対する考え方も診断方法も違います。

西洋医学では肺炎やがんなどといった病名に対して治療を行いますが、漢方はその人の体質や体力、抵抗力、病態などに応じて薬が決まります。そしてその人に最も合った薬を処方するため、「証」という漢方独特の診断基準があるのです。

例えば「葛根湯(かっこんとう)」は漢方の有名な風邪薬ですが、飲んで非常に良く効く人もいますし、まったく良くならない人もいます。また同じ人でも、前回の風邪のときはすぐに治ったのに、今回は効かないということもあります。これは証が違っているからで、どんなにいい薬であっても証が合わなければ効果を得ることはできません。そこで、正確に証を導き出すための診察が必要なのです。

漢方では、西洋医学的な診察に加えて、「四診(望診・聞診・問診・切診)」という独自の診察が行われます。これは「見る・聞く・嗅ぐ・触る」といった五感をフルに使って患者さんの状態を把握する方法です。診察は、患者さんが診察室のドアを開けて入ってきたときからすでに始まっていて、顔や服装、歩き方なども患者さんを知るための重要な情報になります。

■望診・ぼうしん
患者さんの体格や顔色、肌の色つや、目の力、表情、動作、姿勢、髪の様子、むくみの有無などを見て、確かめます。とくに顔からはさまざまな情報が得られますから、できるだけ化粧を落とし、素顔に近い状態で受診してください。また望診では、舌を診る「舌診(ぜっしん)」(*コラム2参照)を行うほか、不安やイライラ、焦り、興奮など心の状態も観察します。

■聞診・ぶんしん
声の大きさやトーン、話し方、呼吸音、咳の有無や出方、痰の詰まり具合などを注意深く聞きとります。聞診には体臭や口臭、汗の臭いを嗅ぐという診察も含まれます。

■問診・もんしん
西洋医学でも行われている診察で、自覚症状や発症の時期、経過に加えて、患者さん自身やご家族の病歴などについて細かく質問し、さまざまな情報を収集します。

■切診・せっしん
切診は患者さんの身体に直接触れてその状態を診る診察法で、大きく分けると手首に触れて脈を診る「脈診」と腹部を診る「腹診」があります。西洋医学でもおなかを触る場合がありますが、これは腫瘍の有無を確かめたり、ガスが溜まっているかどうか調べたりすることが主な目的です。しかし漢方ではそれに加えておなかの抵抗の具合を診ることで、からだがどのような状態なのかを判断します。