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がん治療と一緒に漢方を

1.がん化学療法の副作用対策

がんの患者さんは、がん自体の症状で苦しめられるだけでなく、治療でも辛い思いをします。その最たるものが、化学療法(抗がん剤治療)の副作用で、たとえばオキサリプラチンという一種類の抗がん剤だけでも、急性腎不全、視野障害、貧血といったたくさんの副作用があります。そのほか、ドセタキセル、カペシタビン、シスプラチン、パクリタキセルなどよく使われる代表的な抗がん剤はいずれも、90%以上という高率で副作用が現れることがわかっています。

重い副作用に体が持ちこたえられなくて、抗がん剤治療を続けられなくなってしまう患者さんも少なくありません。副作用の辛さと上手に付き合い、乗り越えていくことが、がん治療のポイントになるのです。

副作用対策に漢方薬が活躍
抗がん剤の副作用対策として、漢方薬が注目を集めています。がんを専門にしている医師を中心に、治療を受ける患者さんに漢方薬を処方するケースが増えているのです。

従来は、腰痛などに使われてきた「牛車腎気丸」という薬もそのひとつ。

今から10年ほど前のこと、子宮がんや卵巣がんの治療に使われる抗がん剤は、ほぼ100%手足のしびれが出るとされ、この副作用を抑える西洋医学的な対策はありませんでした。しかし、ある婦人科医師が「牛車腎気丸を使うと改善する」といった内容の論文を発表したのです。

それを知った多くの医師が「手足のしびれに苦しんでいるがんの患者さんが少しでも楽になるなら」と、牛車腎気丸を投与するようになりました。そして、婦人科系のがんだけでなく、大腸がんや肺がんで使う抗がん剤の副作用にも効くことが判明し、現在はがん専門病院の医師を中心に牛車腎気丸の研究が進み、臨床の場で治療効果を上げています。

では、どのようなしくみで手足のしびれをやわらげてくれるのでしょうか。実は牛車腎気丸は「神経を守ってくれる薬」なのです。抗がん剤はがん細胞を殺す強力な薬ですから毒性があり、神経に悪さをして手足がしびれるのですが、牛車腎気丸は神経を真綿で包むように覆い、毒から守ってくれるのです。