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漢方に教えられたこと、気づかされたこと

漢方ではこう治療する〜漢方治療の実際〜

実際の漢方治療についてお話ししていきましょう。
まず、現在の漢方薬の剤型について。本来の漢方薬は煎じ薬です。生薬を刻んだ茶葉のようなものを煮出して飲みます。現在一般的になっている剤型が「エキス剤」というもの。煎じ薬をいちいち煮出す手間を省くため、煮出したものをスプレードライしたものです。煎じ薬に比べると効果はやや落ちますが、煎じる手間がかからず、持ち歩いて、どこででも飲むことができるため、とても便利な剤型です。基本的に保険診療で保険が利くということですね、沢山ありますのでエキス剤で充分治療出来る、充分対応出来るということになります。

次に、飲み方について。煎じ薬はそのまま飲んでいただければいいのですが、エキス剤はインスタントコーヒーと思って下さい。基本的にはコップに入れて、お湯で溶かして飲んでいただくという形になります。粉のまま水やお湯で流し込んでもそう効果が変わるわけではありませんが、お湯で溶いて飲むという習慣が大事です。とにかく飲みこんで体に入れればいいというのではなく、少しまったり(・ ・ ・ ・)した時間を持つというのが実は治療の上では大切だと考えています。

飲むタイミングは、本来は「食間」ですが、飲み忘れたら食後でもかまいません。

漢方はゆっくり効くというイメージが強いですが、ゆっくり効くタイプもある一方で、すぐに効果が現れるものもあります。その代表例が、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という処方です。マラソンの途中で足が痙攣を起こしたときなどに、芍薬甘草湯をパッと飲むとわずか数分でおさまります。ひきはじめの風邪によく使われる葛根湯も、1〜2時間ほどで強ばりが取れ、汗がサーッと出て来ます。一方、十全大補湯や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などはゆっくり効くタイプで、効果が現れるまで1〜2週間から数カ月かかることもあります。

また、漢方は服用後、一時的に症状が悪化する「瞑眩(めんげん)」が起こることがあり、その後は快方に向かっていきます。とはいえ、瞑眩ではなく副作用で悪化することもあります。大事なのは、主治医としっかり話をすること。なんでも話せる信頼関係を結ぶことが、治療の成功につながります。

尚書:儒教の経書の中で特に重要とされる四書五経の一つ『書経』の古名。