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漢方の得意な病気

瘀血を解消すれば多くの症状が改善する


瘀血とは
気の流れに重点を置いて解説をしてきましたが、健康な体を保つには「血」の流れも大事です。漢方には「瘀血(おけつ)」という病態があり、すらすらと流れるべき血がなんらかの原因で滞った状態を指します。女性の月経障害や更年期障害は典型例ですが、男性にも見られ、脳血管障害などの痛みや痺れで困っている場合、瘀血を解消することで症状が改善する方も少なくありません。

瘀血の症状
瘀血は顔面のシミやくま、皮膚の鬱血症状、唇や歯茎の色がどす黒いなど見た目でもわかりますし、へそのあたりを押すと、抵抗や圧痛(あっつう)を訴えます。一般に女性は毎月の生理時にはおなかの周辺の鬱血が強まり、生理が終わると鬱血は解消します。しかし瘀血の強い人は生理が終わってもずっと抵抗と圧痛が続きます。





瘀血の診断基準
瘀血を診断するため、症状をスコア化したものが「瘀血スコア」で、現在日本東洋医学会のスタンダードになっています。20点までは正常、21点以上39点以下が瘀血状態、40点以上が重度の瘀血状態としています。瘀血スコアが正常な人は血液の粘度が低くサラサラですが、瘀血が重度になるほど高まることがわかっています。

駆瘀血剤
瘀血の漢方治療には、「駆瘀血剤(くおけつざい)」を使用します。代表的な駆瘀血剤は、桂枝茯苓丸という処方です。桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の駆瘀血作用はさまざまな研究がなされています。動物実験では、コレステロールは下げないけれど、動脈硬化を示す血管の内側のプラーク(血管の内側に堆積する脂質など)の沈着を抑制することがわかっています。
なお、瘀血の人に使うのは、桂枝茯苓丸だけではありません。桂枝茯苓丸も含め、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が3大処方と言われています。桃核承気湯は便秘の強い人に使う漢方薬で、軽症程度の人が飲んでしまうと下痢をします。一方、当帰芍薬散は、やせて顔色が青い、非常に虚した人に適しています。また、めまいのある人にもよく使用する漢方薬です。桂枝茯苓丸は、丸顔でちょっと赤みのあるような人に向いています。