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漢方で すこやか生活

1.漢方治療の現状


漢方薬が使用される理由
医療機関で漢方薬を取り入れた治療の実態調査が複数行われています。最近の調査では約9割の医師が日常診療で漢方を使用しているという結果が出ています。

医師が漢方治療を始めた理由

①「西洋薬の治療で十分な効果がなかった疾患に、漢方薬の治療が効果を示す場合がある」
西洋医学と漢方医学のそれぞれの利点を活かし、治療の幅を広げ、治療効果をあげるという考えだと思います。

②「学会や医学雑誌への論文投稿が増え、漢方薬のメカニズムが解明されつつある」
海外の権威ある医学雑誌への漢方薬に関する論文投稿数は、10年前と比べると倍増し、年間約100論文に迫ろうとしています。それだけ海外からも注目され、評価をされていることが窺えます。

③「患者さんから漢方治療を希望された」
以前は、患者さんが治療に希望を伝えることは難しかったようですが、漢方外来や漢方診療科の増加もあり、患者さんの希望に沿った治療を、考えていただける環境になりつつあるのだと思われます。

科学的根拠(メカニズム)が解明されつつある
腸管通過障害に伴う腹痛、腹部膨満感の改善に使用される大建中湯という漢方薬は、腸管血流増加作用や消化管運動促進作用が報告されています。
神経症や不眠症に使用される抑肝散は、体内の興奮性伝達物質を調整することにより、興奮、攻撃性などの異常行動の発現を改善するメカニズムが報告されています。


全国80の大学医学部・医科大学において漢方医学教育が実施
文部科学省が2001年に発表した、医学部教育のガイドラインである「医学教育モデル・コア・カリキュラム」において、6年間の到達目標として「和漢薬を概説できる」が掲げられ、2004年にはすべての医学部・医科大学(全国80大学)で漢方医学がカリキュラム(教育課程)に取り入れられました。その後、教育は充実してきており、2011年に改訂されたガイドラインでは「和漢薬(漢方薬)の特徴や使用の現状について概説できる」とより具体的な内容になりました。

『一般用漢方処方の手引き』に294処方
日本において一般用漢方製剤として製造販売の承認を得る際の審査基準である「一般用漢方処方の手引き」は、1972年11月から1974年5月までの間、計4回にわたって厚生省(現厚生労働省)から承認審査の内規が公表され、実質的な承認における基準になっていました。この内規は専門家の意見を踏まえ、漢方関係の成書に記載されており長年使用されてきた処方の中から、一般用医薬品として適当な210処方を選び、その成分・分量、用法・用量、効能・効果を示したものです。2012年8月に「一般用漢方製剤承認基準(新基準)」が発表され、これまでの210処方が大幅に見直され、全294処方となりました。