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漢方は素晴らしい!漢方薬の特長

体質別・上手な対処法


血虚
「血」が少ない状態を「血虚(けっきょ)」といいます。血が少ないというのは栄養も足りていないということですから、皮膚に艶がない、痩せる、貧血、肌がかさかさする、抜け毛、白髪が増えるといった症状が現れます。過度なダイエットによる栄養不足で、血虚になることもあります。栄養バランスのいい食事や規則正しい生活を心がけましょう。

血虚を改善する処方の中でも女性の冷え症や貧血によく使うのは、当帰芍薬散、十全大補湯です。加味帰脾湯は、年齢に限らず血虚の状態、痩せている、冷え症・貧血症の人で眠りが浅い人にお勧めで、熟眠感を高める薬です。


瘀血
血の巡りが悪い血行不良の状態を、漢方医学では「瘀血(おけつ)」といいます。瘀血の人はしみや目の下のクマ、アザができやすい傾向があり、肩こりや関節痛、頭痛、生理痛といった痛みの症状を招きやすくなります。子宮筋腫も、漢方医学では瘀血と捉えています。また、足は冷え症だけども上半身はのぼせ症という「冷えのぼせ」も、瘀血の代表的な症状と言えるでしょう。桂枝茯苓丸は、血行を良くする処方です。瘀血傾向のある人はふだんから適度な運動をすることが大事です。同じ姿勢を長時間とらないように工夫をしてみてください。


気虚
「気」が少ない状態、文字通り元気がない状態を「気虚(ききょ)」といいます。疲れやすい、声も力がない、また気虚の人は胃腸が弱い人とすごく相関関係があります。胃腸が弱いので食欲もない、というのは代表的な気虚の症状です。補中益気湯や六君子湯(リックンシトウ)が治療に用いられる代表的な処方になります。


脾の衰え
「気」「血」「水」という考え方とともに、「五臓」という捉え方もあります。ここでいう五臓は解剖学的に分類したものではなくて、体の働き別に分けた考え方です。中でも「脾(ひ)」と「腎(じん)」を漢方医学では重視しています。「脾」は脾臓ではなく、胃腸の働きの事を指し、「腎」は腎臓ではなくて、成長を担当する働きを意味しています。

脾が弱ると胃腸の働きが弱って、体に必要なものを全身に送れない、あるいは食べたものから体に必要なものを作り出すことができません。「ひ弱い」という状態になり、体力・抵抗力も弱くて風邪をひきやすい、気力・精神力が落ちている状態です。

胃腸が弱くて疲れやすい元気がない状態によく使われるのが補中益気湯、別名 医王湯(イオウトウ)です。構成する生薬のうち、薬用人参は胃腸を守る、当帰は栄養を補う働き、さらに柴胡や升麻は筋力をつけることを期待して配合されています。

また、感冒の効能も注目すべき点です。補中益気湯には風邪の症状を改善する直接の働きはありませんが、体力や抵抗力をつけることによって風邪を治す、風邪にならない体力づくりに役立つので、感冒の効能も持っているのです。特に胃腸が弱くて疲れやすい、風邪を引きやすい、食欲がない人に適した処方です。


腎の衰え
中高年が夜に2回以上トイレに起きる、トイレに行っても残尿感がある、出終わるまでに時間がかかる、尿に勢いがない、夜間尿でよく眠れないという症状があれば、「腎」に目を向けましょう。腎は成長・発育の要で、腎の働きが衰えるというのは老化するということなので、足腰が痛い、だるいといった症状が現れます。また腎は腎臓も含まれているため、おしっこのトラブルも現れやすくなります。

腎の衰えに、よく使用されるのが八味地黄丸です。体に栄養を補う働き、水はけを良くする働き、体を温める働きがあります。一方で、消化が悪いという面もありますので、服用時にちょっと胃がもたれるようでしたら食後に飲む、またあくまで応用ですがスライスした生姜と一緒に飲んでいただくとか、胃を守るという働きを期待して、蜂蜜をお湯で溶いて一緒に飲むことを紹介する場合があります。


気滞
「気滞(きたい)」は気の巡りが悪い、神経伝達がうまくいかない状態です。自律神経が失調した状態や情緒不安定など、男性も含め更年期の時期に起こりやすい精神と体の不調は「気の巡りが悪い状態」と捉え、加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯、半夏厚朴湯など「気滞の治療薬」を使います。例えば「ストレスがかかると気の巡りが悪くなって胃腸に症状があらわれる」「便秘と下痢を繰り返す」ということも気滞の代表的な症状の一つで、片頭痛として現れることもあります。

男性も含めて更年期の症状に対する代表的な処方が加味逍遙散です。柴胡加竜骨牡蛎湯は、イライラして眠れない方にお勧めで、構成生薬の牡蛎の殻や竜骨(大型哺乳類の化石化した骨)でカルシウムの補給ができると捉えてください。イライラして眠れない、寝つきが悪いという人にお勧めです。また半夏厚朴湯は、気の巡りの悪さが喉に現れた状態、具体的には喉になにか詰まった感じがするけれどポリープもできていないという時に使う代表的な処方です。

気滞の漢方薬には気持ちをリラックスさせる働きがありますが、普段から「香り」に目を向けてみることもお勧めします。アロマテラピーを楽しみ、香味野菜を食べ、気持ちをリラックスさせて気の巡りを調えていきましょう。


「燥(そう)」は、「水」が少ない状態です。燥に効果がある代表的な漢方薬は麦門冬湯で、空咳、痰がきれない、苦しい咳によく処方されます。燥になると体液が少なくなって体のあちこちが乾燥しますが、潤いをもたらす麦門冬湯は粘液の分泌を盛んにして痰を切れやすくしてくれます。また、喉の粘液の分泌を盛んにし、しわがれ声を改善して声の出が良くなる、という効果もあります。


水滞
「水滞(すいたい)」は水の巡りが悪い状態で、水分代謝が悪くてむくみやすい、体内に水が多いので冷えやすいといった症状に加え、尿として水が出ないぶん汗をかきやすくなることもあります。五苓散は水分代謝を改善する代表的な処方で、二日酔いで下痢をしてしまった時などには腸からの水分吸収を高め、症状を軽減します。一方、防已黄耆湯はむくみ症によく使われる薬で、膝に水が溜まって膝が痛む人にもよく使われています。


便秘

・悩む方の多い、便秘の症状改善にも漢方薬がおすすめです。
大黄という生薬が含まれた漢方薬が良く使われます。年配の方はあちこち症状が出やすいものです。漢方では「瀉下(しゃげ)」といいますが、便秘を改善すると長年困っていたそれらの症状が嘘のようにとれることがあります。
代表的処方の一つである防風通聖散は便秘で血圧が高い人の症状に処方される薬です。肥満症の効能があり、便秘気味で皮下脂肪の多い人によく使われます。