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生薬の解説

タイソウ (大棗)

ヨーロッパ南部、アジア南西部を原産とし、日本の一部でも植栽される落葉小高木。樹高は10mに達し、枝節に棘をつける。
核果はだ円形で2~3cm、果実を薬用とする。中国では薬用として用いるよりも食品として用いる。

生薬

  1. 基原

    ナツメ Zizyphus jujuba Miller var. inermis Rehder (クロウメモドキ科 Rhamnaceae) の果実を乾燥したもの。

  2. 産地

    中国 (河南省、山東省 等)
    (長棗群、円棗群、密棗群に分かれ、大泡棗、大灰棗、晋棗、紅棗、梨棗、小棗、馬棗など、産地や形状で名称が付けられている)
    朝鮮半島

  3. 生薬の性状

    本品は楕円球形又は広卵形を呈し,長さ2~3cm,径1~2cmである.外面は赤褐色で粗いしわがあるか,又は暗灰赤色で細かいしわがあり,いずれも艶がある.両端はややくぼみ,一端に花柱の跡,他端に果柄の跡がある.外果皮は薄く革質で,中果皮は厚く暗灰褐色を呈し,海綿様で柔らかく,粘着性があり,内果皮は極めて堅く紡錘形で,2室に分かれる.種子は卵円形で扁平である.
    本品は弱い特異なにおいがあり,味は甘い.

  4. 成分

    5環性トリテルペン、ダンマラン型トリテルペンサポニン、vomifoliolの配糖体、ベンジルアルコールの配糖体など。
    糖(果糖、ブドウ糖)、中性・酸性多糖、高濃度のcyclic AMP。

  5. 日局18規格値

    純度試験(1) 変敗 不快な又は変敗したにおい及び味がない
    (2) 総BHCの量及び総DDTの量 各々0.2ppm以下
    灰分3.0%以下