125号 (第42巻 第2号)2025年9月
巻頭言 「日本漢方生薬製剤協会 会員の皆様への期待」
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日本製薬団体連合会 会長 安川 健司 |
本年5月に日本製薬団体連合会(日薬連)の会長を拝命いたしましたアステラス製薬の安川です。日本漢方生薬製剤協会の皆様方におかれましては、日頃より日薬連の活動に対し、多大なるご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
医薬品産業の使命は、高品質な医薬品の安定供給や、革新的新薬への迅速なアクセスの確保などを通じて国民の健康を支えることです。
一方、現状は、度重なる薬価制度改革によって、日本の医薬品市場の魅力が損なわれることにより、革新的な新薬が国民に届かないというドラッグラグ・ロスが生じています。加えて、医薬品の安定供給に悪影響を及ぼす一因にもなっており、結果として、日本国民が高品質かつ革新的な医薬品にアクセスできない事態に陥っています。さらに、昨今の地政学的なリスクの高まりや原材料費等の高騰が追い打ちをかけるように状況をより深刻化させています。
この深刻な状況にも関わらず、貴協会に於かれましては、「漢方の将来ビジョン2040」のもと、2025年を第一期最終年度とした実行計画に沿って、原料生薬の国内栽培の推進・拡大をはじめ、品質管理の強化や漢方製剤等の安定供給の確保など、様々な取組みを推進されており大変心強く感じています。
日薬連会長としてこの深刻な日本の状況を打破すべく、根本的原因について熟考した結果、現在の国民皆保険制度の運用に課題があるのではないかと思い至りました。昭和33年(1958年)に制定された国民健康保険法に基づく国民皆保険制度が実施されて60余年以上が経過し、その間に国民が罹患する疾患は変化し、平均寿命も延びて人口ピラミッドも大きく変化しました。さらに、医学や科学技術の進歩に伴い最先端の治療手段が次々と登場しています。そのようななか、財政面において益々厳しい状況に直面し、持続可能な社会保障制度の構築に向けた改革が求められています。
いまこそヘルスケアに関わる全てのステークホルダーが社会保障制度改革に向けて動き出すときです。その改革を進める上で鍵となるのが、世論の醸成です。国民一人ひとりが、本来大きなリスクに対して備える互助システムである国民皆保険制度の根本的な思想を正しく理解した上で、限りある医療資源を有効に活用する意識をもち、持続可能な社会保障制度の構築に向けて、声をあげていく必要があります。しかし、日本が置かれている状況を正確に理解している国民はごく少数ではないでしょうか。世論醸成のためには、現状の社会保障制度の問題点や、限りある医療資源の有効活用の必要性等に対する理解を醸成するためのアドボカシー活動が必要です。私が日薬連会長に就任した際にも加盟団体の皆様に協力を依頼しましたが、漢方生薬製剤を含むヘルスケア産業が世の中にどのような価値をもたらしているのか、今後もたらし得るのかを広く周知させるアドボカシー活動を、貴協会の皆様一人ひとりにも地域社会で実施いただければ幸甚に存じます。
最後に、伝統と科学の融合による確かな品質と安心を礎に、日本の漢方生薬製剤が医療現場でますます信頼され、その普及と発展を通じて、患者さんの健康と生活の質の向上に大きく貢献されることを心より期待しております。
ご挨拶 「副会長就任にあたって」
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日本漢方生薬製剤協会 副会長 豊田 賀一 (小林製薬株式会社 代表取締役社長) |
この度、5月20日の理事会および総会におきまして、副会長への就任をご承諾いただきました小林製薬の豊田賀一でございます。皆様のご期待に応えられるよう、業界の発展に尽力してまいる所存です。
冒頭に私ども小林製薬の紅麹関連製品による健康被害問題につきまして、お客様をはじめ、当社を取り巻くすべての関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、改めて深くお詫び申し上げます。この度の事態を重く受け止め、健康被害にあわれたお客様と損害を受けられたお取引先様に対する謝罪と補償を何よりも優先し、誠実に実行してまいります。また、信頼回復に全力を尽くすとともに、二度と同じ問題を起こさないため、再発防止に向けた取り組みを徹底してまいります。同時に、業界への貢献につきましても、日漢協を通じてこれまで以上に果たしていく所存でございます。
2025年度は「漢方の将来ビジョン2040」の実行計画である「第1期5ヵ年アクションプラン」の最終年度であり、関係諸団体との連携のもと、日漢協一丸となって国内外における課題解決に取り組んでいくとともに、次なる5ヵ年アクションプランの策定へ向けて着実に進めてまいります。
現在の日本は、社会構造の大きな変化に直面しています。今年の出生者数が過去最低を更新し、人口減少が加速していくという状況は、医療やヘルスケアのあり方に大きな課題を投げかけています。このような社会において、健康寿命の延伸やセルフメディケーションの推進は、ますます重要になってまいります。
本年6月13日には「経済財政運営と改革の基本方針2025」(骨太方針2025)が閣議決定されました。その中では、少子高齢化に対応するため、社会保障制度の持続可能性を確保し、全世代で支え合う仕組みを構築することや、国民一人ひとりが主体的に健康を管理する「予防・健康づくり」が重要な柱として掲げられています。
2017年に医療費控除の特例として始まったセルフメディケーション税制は、2022年に5年間延長されるとともに、対象品目が拡大されました。これにより、マオウ、ジリュウ、ナンテンジツが配合された漢方生薬製剤も税制の対象に加えられました。現在も、「セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会」にて対象医薬品の拡大に関する議論が進められています。例えば、鎮咳去痰薬においては、含有する生薬によって税制対象となるものとならないものが存在し、利用される方にとってはわかりにくい状況です。このため、生薬のみからなる鎮咳去痰薬についても税制の対象とすべきとの議論がなされております。日漢協としましては、漢方・生薬製剤が国民のみなさまに広く利用される機会を創出するため、将来的には全ての一般用漢方生薬製剤を含むOTC 医薬品が税制の対象となるよう、普及啓発を推進してまいります。
また、骨太方針2025には、「女性版骨太の方針2025」に基づき、「女性特有の健康課題及び性差に由来した健康課題への対応の普及に向け、フェムテックの利活用など女性の健康支援に取り組む」ことが明記されています。男女共同参画の視点に立ち、あらゆる分野で女性が活躍することがますます重要になっています。私が担当する生薬製剤会議では、生薬製剤の承認基準拡大に向けた検討を進めており、当帰川芎製剤(いわゆる婦人薬)の承認申請ガイドライン整備に向けて、国立医薬品食品衛生研究所の先生方と調整を進めているところです。生薬製剤が女性の活躍する社会に広く貢献できるよう、社会実装へ向けた基盤整備を進めてまいります。
本年5月21日には、改正薬機法が公布されました。本改正の趣旨は、品質と安全性が確保された医薬品等の安定供給体制を強化することにあります。品質保証責任者および安全管理責任者の法定化や、副作用情報収集の義務化に代表されるように、これまで以上の品質強化とコンプライアンスの徹底が求められています。日本の伝統医学である漢方薬は、健康意識の高まりとともに国内需要が堅調であるだけでなく、近年の円安傾向に伴い、訪日外国人観光客(インバウンド)による需要も拡大しています。国内外からの需要に応えるためには、漢方生薬製剤の品質向上と安定供給が私たちの重要な課題です。
関係各位の皆様には、引き続き当協会の活動にご理解と温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 坂上 誠(株式会社ツムラ)
- 流通適正化部会
- 教育研修部会
- 有用性研究部会
8月26日、部会を開催した。
1)透明性ガイドライン公開情報の日漢協ホームページ掲載について、会員会社の公開情報を共有した。また、来年度の公開へ向け、会員各社での作業について協力依頼をした。
2)6月20日に「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」の第39回会合が開催され、改訂ガイドラインに基づく取引実態の状況及び単品単価交渉の実施状況報告や流通改善の課題と進捗状況等が議論された。これを受け、7月に日薬連の流通問題連絡会が開催されたため、議論内容につき、情報共有を行った。
3)「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」の第39回会合の中で、医薬品価格の「逆ザヤ」問題が流通の課題として提起された。これを受け、製薬協流通適正化委員会より面会の依頼があり、7月28日と8月19日に医療用製剤委員会、流通適正化部会として対応した。
5月13日、7月18日に部会を開催し、医療用漢方製剤としてのプレゼンス維持・向上のため、年間を通して下記の取り組み行うことを合意した。
●漢方の歴史に関する業界共通教育内容の策定
現在、業界として保険薬価外しの問題が迫っている。漢方薬の過去を紐解くと、江戸時代に生まれた漢方が明治に衰退し、昭和に発展を遂げてきた。衰退を経験して、現在「医療用漢方製剤」として患者さんに必要とされている。その事実や経緯(歴史)に関して業界で同じ知識を保有し、永続的な漢方普及の礎を教育から構築するため、教育内容の策定を行う。
1)日本東洋医学会 EBM委員会協力作業
①漢方治療エビデンスレポート(EKAT)2025は2025年中の公開を目標に作成を進めている。2020英語版の英訳確認が完了、掲載に向けた準備を進めている。また、6月のEBM 委員会にて、掲載されているレポート(RCT、メタアナリシス、システマティックレビュー)数を迅速に確認できるようEKATのページトップに追記することとなった。
②漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン(KCPG)については、3 年に一度の全面改訂となるKCPG2025の作成を進めている。
③STORK関連については、翻訳会社による添付文書の英訳が完了、2025年度内の公開を目標とし、各社にて掲載内容の確認を進めている。
2)その他
EBM委員会の活動の周知策については、継続して委員会にて検討を進めていくこととなった。
生薬会議
生薬委員会 委員長 山本 豊(株式会社栃本天海堂)

B「薬用作物(生薬)産地化推進のための行政担当者情報交換会」
- 令和7年度 茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進事業について
- 第9回原料生薬使用量等調査について
(1)地域説明会および情報交換会について
農水省の支援を受けた薬用作物産地支援協議会(一般社団法人全国農業改良普及支援協会と日漢協で設置した協議会;以下、薬産協)の今年度の施策のうち、A「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」およびB「薬用作物(生薬)産地化推進のための行政担当者情報交換会」の開催状況および今後の予定を以下に示した。
「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」については、第1回(8月1日/東京)がオンライン併用のハイブリッド形式にて開催され、会場参加で11名、オンラインで44名の計55名の方々に参加いただいた。
第2回(9月9日-10日/長野)も終了し、今年度の最終回(第3回)を11月13日に福岡での開催を予定している。
薬用作物の栽培等に興味をお持ちの方は、ぜひご参加いただきたい。詳細は薬産協ホームページをご確認ください。
また、「薬用作物(生薬)産地化推進のための行政担当者情報交換会」については、8月28日に東京で開催した。
これらの資料は、薬産協ホームページで公開されているのでご確認ください。
直近の2年間(2023年度:2023年4月~2024年3月、2024 年度:2024年4月~2025年3月)について調査した(第9回;日漢協発第466号)。この後、事務局で集計され、その集計結果を受けた生薬委員会および生薬流通部会での確認の後、考察を加えて、生薬学雑誌への投稿へと進める予定である。
一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 高橋 隆二(クラシエ薬品株式会社)
- 一般用漢方製剤委員会
- 処方部会
- 適正使用推進部会
5月21日に幹事会を、5月28日に2025年度第1回委員会を開催し、理事会報告、各部会活動報告、各種プロジェクト報告等の情報共有を行った。次回開催予定の市民公開漢方セミナーにおける漢方処方製剤のパッケージ等資材展示を今年も実施することとした。
一般用漢方製剤承認基準への追加候補39処方に関し、委員会内で実施したアンケート結果をもとに、新たに追加希望のあった4処方および削除候補16処方につき部会員にて情報収集を継続実施した。新たに追加希望のあった4処方のうち、当帰養血湯については論文等の情報が少なく、希望会社の意向も確認したうえで追加処方より取り下げることとした。
5月30日および7月25日に部会を開催した。市民公開漢方セミナー等で使用する漢方処方紹介パネル(A1サイズ)につき、現有の八味地黄丸、補中益気湯、葛根湯に加え、新たに当帰芍薬散のパネルを作成することとし、部会内でパネル案を作成した。作成したパネル案につき一般用漢方製剤委員会の委員へヒアリングを実施中である。また、部会にて第303回広告審査会ヒアリング結果の共有と意見交換を行った。
生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 小森園 正彦(小林製薬株式会社)
委員会及び制度研究部会と製剤開発部会の合同部会を6月17日に開催し、委員長の交代が了承された。また幹事会を8月6日に開催した。委員会では定期総会の概要や委員等の交代、国立衛研 生薬部との検討状況等について共有した。国立衛研 生薬部における第3回ガイドライン班会議が6月9 日に開催され、当帰川芎製剤(いわゆる婦人薬)の効能効果の見直しに関する検討状況について報告した。
国立衛研 生薬部長の伊藤先生からは、本件に関して厚労省 審査管理課との調整を進めていく上で、業界団体内であらためて今後の進め方の確認を行うよう要望があり、7月4日のガイドライン班会議にて今後の進め方等に関する日漢協としての考えと、現在の効能効果見直し案で進めていただきたいという要望を伝達した。引き続き、国立衛研 生薬部と厚労省 審査管理課との審査支援を継続していく。なお、6月13日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太方針2025)」には、「フェムテックの利活用など女性の健康支援に取り組む」ことが記載されており、社会ニーズの高まりが窺える。
次の検討テーマとして生薬主薬保健薬(ニンジン主薬製剤)の範囲拡大の可能性について検討しており、医学・薬学の先生方からいただいたご知見を踏まえて、制度研究部会と製剤開発部会で分担して臨床エビデンスの調査を進めつつ、範囲拡大の方向性を調整している。文献情報から範囲拡大の可能性のある効能を調査するとともに、社会ニーズの確認を進めている。
セルフメディケーション税制について、対象品目はスイッチ成分配合品から、マオウ、ジリュウ、ナンテンジツを配合した漢方生薬製剤を含む一部の非スイッチ成分配合品に拡大している。国税庁の「所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」によると、2022年分から対象品目の拡大とともに税制利用者(確定申告者)は徐々に増えており、2024年分の税制利用者(確定申告者)数は、対象品目の拡大前の約2倍に増えたが、それでも約5万人に留まっている。先般、厚労省の第3回、第4回「セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会」が5月26日、7月25日に開催され、一般薬連等の要望を踏まえ、税制対象への製品群の追加が検討されている。その中には、ニーズが大きい胃腸薬、止瀉薬、瀉下薬や、キキョウ、キョウニン、セネガ、カンゾウ等を含む生薬のみからなる鎮咳去痰薬も含まれている。いずれは全てのOTC対象となるような、利用者にとってわかりやすい制度の在り方が求められている。
原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)
2025年6月19日および8月27日に、本年度第2回と第3回の原薬エキス委員会を開催した。委員会では、この間の理事会の内容を共有化し、その他日局の進捗状況、局外生規2026の新収載センナエキスの規格がほぼ固まってきたことから、その内容について確認した。
- 漢方処方エキスの日局収載
- 局外生規2026
7月23日にPMDAより日局新規収載候補品目として、桂枝加竜骨牡蛎湯エキスについて意見募集された(募集期間は8月23日までの1ヶ月間)。
現在、生薬等(A)委員会と漢方処方エキス班(座長:国立衛研生薬部増本第二室長)では、19局第一追補(2027年10月告示予定)収載を目標に、人参養栄湯エキスの収載案が検討されている。
また漢方処方エキス班では、既収載の漢方処方エキス40処方の主に確認試験と定量法に関する改正要望についての検討が進められている。
6月4日に局外生規に関する第4回検討連絡会議(事務局:医薬品審査管理課)が開催された。既収載チンピ末およびチンピエキスの定量法の改正案、新収載プランタゴ・オバタ種皮のラテン名、タンズシの名称(正名、英名、ラテン名および別名)等が了承された。
新収載センナエキスについては、総センノシドの含量規格、製法(実態に即した記載に変更)、TLC法による確認試験、データにより純度試験・ヒ素は削除、乾燥減量および灰分の規格値が決定され、一方酸不溶性灰分は低値であったことから削除された。またHPLC 法による定量法が了承された。
また7月28日に第13回局外生規作成WGが国立衛研にて現地開催され、センナエキスの残された2つの規格項目のうち性状の収載案が実物をみて決められた。
また、もうひとつの規格項目である純度試験・重金属については、当委員会で1検体をICP-MS法により測定した結果では、As、Cd、Hg、Pbは検出されないか検出されてもごく微量という結果であったことから、さらに検体数を増やし、国立衛研にてマイクロウェーブ法で灰化後ICP-MS法により測定することになっている。その結果をもって判断することとされた。
国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョンプロジェクト
プロジェクトリーダー 味岡 賢士(株式会社ツムラ)
提言実現プロジェクト会議は1月22日、5月27日、7月29日にWeb とのハイブリッドで会議を開催した。
「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」2025フォーラムの開催が下記の通り決定した
・開 催 日:2026年3月2 日(月)
・開催時間:18:00~20:00(調整中)
・会 場:大手町三井ホール
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F
・テ ー マ:時代変化・研究会成果を踏まえた提言の再構築
・基調講演:公益社団法人 日本医師会 会長 松本 吉郎 先生
・演 者:小川 純人 先生(東京大学大学院医学系研究科 老年病学 教授)
髙山 真 先生(東北大学病院 総合地域医療教育支援部・漢方内科 特命教授)
伊藤 美千穂 先生(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部長)
増田 美加 氏(NPO法人みんなの漢方 理事長)
・ディスカッション
「研究会 提言2.0について」(世話人・委員からの意見等)
総務委員会
委員長 永野 聡(株式会社ツムラ)
- 事業計画に関する事項
- 協会活動の効率的運営に関する事項
- コンプライアンスに関する事項
- 講演会に関する事項
- その他
第43回定期総会(2025年5 月20日開催)において、「2025年度事業計画」が承認された。
現行の諸規程を確認し、必要に応じ見直し作業を進めた。
2025年7月14日、日本大学名誉教授の白神誠先生をお招きして「コンプライアンスの取り組みに関する実態調査」についてコンプライアンス研修会を実施した。参加会員会社数49社、参加人数187名(Web参加含む)であった。
会員会社のガイドラインの要求事項に対する遵守状況は十分ではなく、協会として個々にアプローチすることも考慮すべきとご指摘があり、体制整備に対して危機意識をもってさらに取り組みを進めるよう求められた。
2025年9月19日の理事会後に厚労省医薬局総務課の山下雄大課長補佐をお招きして「薬機法改正の概要」(仮題)について講演会を企画した。
(1)日薬連個人情報委員会の2025年度事業計画について共有された。
1)個人情報保護法への的確な対応
2)対象事業者における「製薬企業における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」の遵守推進
3)対象事業者への情報提供
(2)総務委員会移動部会の開催について
2025年5月22日~23日富山県富山市において開催した。22日に総務委員会、翌23日富山県薬事総合研究開発センター薬用植物指導センターを見学した。シャクヤクを植栽されており、さまざまな色や形のお洒落なシャクヤクを観察することができた。
広報委員会
委員長 北村 誠(株式会社ツムラ)
- 2025年度市民公開漢方セミナーについて
- 2025年市民公開講座(日本東洋医学会共催)について
- リリース
- 記事化
- 広報委員会
このたび、下記の通り日程および会場が決定した。広報委員会にて、開催に向け準備を進めている。
(1)日程:日程:11月28日(金)18:30~20:00
(2)会場:文京シビックホール小ホール(文京区)
(3)講師:正木 稔子先生(ラファ・クリニック院長・漢方内科、調布市)
(4)テーマ:漢方の考え方、風邪・インフルエンザの漢方、養生 など

【盛況だった市民公開講座】
下記の通り開催し、運営の協力を行った。今回は6年ぶりの会場のみの開催となった。
来場者数は、定員200名に対し、209名であった。
(1)日程:6月8日(日)14:00~16:00
(2)会場:京王プラザホテル(新宿区)
(3)講師: 山本 高穂 氏(NHKコンテンツ制作局)
安野 富美子 先生(東京有明医療大学 保健医療学部鍼灸学科)
今津 嘉宏 先生(芝大門 いまづクリニック)
(4)演題:「東洋医学を” 科学” する」 ~正しく学ぼう! 漢方薬・鍼灸の活用法~
(1)7月17日リリース:8月1日開催「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」
(2)8月19日リリース:8月28日開催「薬用作物産地化推進のための行政担当者情報交換会」
5月20日開催「第43回定期総会・記者会見」が、以下の媒体に記事化された。
5月20日付 日刊薬業
5月22日付 化学工業日報
5月23日付 薬事日報
6月 6日付 薬事ニュース
8月7日に開催、以下の事項について報告、討議、検討等を行った。
(1)2025年度市民公開講座の振り返りおよび次回開催について
(2)第28回市民公開漢方セミナー進捗状況、ご協力のお願い
(3)毎日新聞インタビュー記事について
(4)今後の広報委員会開催について
国際委員会
委員長 小柳 裕和(株式会社ツムラ)
- ISO/TC249関連活動
- ISO/TC249の各案件の進捗
(1)国内委員会への参加
5月12日(月)第1回 WG1投票案件 12 件審議 WG2投票案件 4件審議
33回WG1会議準備34件 29回WG2会議準備8件
日漢協から4名(浅間、高杉、山路、小柳)のエキスパートが出席した。
(2)国際会議開催(於:オランダ アムステルダム)
33回WG1会議 2025年6月3日、4日
29回WG2会議 2025年6月2日
今年から、国際会議は現地参加のみとなり、WG1,WG2を担当する委員会1からは、新井先生(日本薬科大学)、河野先生(医薬健栄研)の2名が現地参加した。
2025年7月現在の、各開発段階における案件数は、以下に示すとおりである。WG1で47件、WG2では22件が国際規格として発行されており、全て購入済である。
個別に国際規格をご覧になりたい方は、クロジカにアクセスいただき、
フォルダー > 08 資料室 > ISO 規格書 > ★購入ISO一覧表20250707.xlsx のファイルを参照して必要な国際規格をご覧いただきたい。
薬制委員会
委員長 中堀 秀俊(クラシエ薬品株式会社)
2025年4月17日、5月22日、7月25日に幹事会、6月18日に委員会を開催した。他業界団体やAMED 研究班等における活動内容を共有するとともに、改正薬機法、発出通知、薬事規制、品質問題等への対応について議論した。
- 改正薬機法への対応
- 行政側との意見交換
2025年5月21日に改正薬機法が公布された。改正薬機法の条文、関連通知ならびに厚生科学審議会での議論等を確認しながら、各社の対応事項について意見交換した。総務委員会とともに、厚生労働省医薬局より講師を招聘し、薬機法改正の概要をテーマとした学術講演会の開催を準備している。
2025年5月26日にPMDA、厚生労働省、国立衛研と漢方生薬製剤の課題に関する意見交換を行った。日漢協より前回会議の振り返り、将来に向けた課題として漢方製剤に特化した処方変更ガイドライン策定に向けた考え方等について報告し、行政側の意見を聴取した。
技術委員会
委員長 高杉 泰弘(株式会社ツムラ)
2025年6月25日に2025年度第2回、2025年8月29日に2025年度第3回の委員会を開催した。局方や局外生規関連をはじめとする各部会の活動状況や日薬連品質常任委員会を通しての規制当局の動きや再構成されたAMED研究班活動の共有化、委員より寄せられた提言事項に対する議論を行った。
漢方生薬製剤の課題に関する意見交換について行政側と継続協議を行っている。
生薬を管理する責任者の育成について検討を開始した。
- 日局関連
- 日薬連関連
- 薬機法関連
- 日漢協ホームページ生薬の解説
日局19第一追補の収載に向け、人参養栄湯エキスの試験法について継続して検討している。
リュウコツ配合漢方処方の代替処方について試験方法の検討を進めている。
2025年6月11日に日薬連品質委員会が開催され、事業計画として5点の重点課題が示された。
2025年5月21日に改正薬機法が公布された。今後改正事項について、6月以内・1年以内・2年以内・3年以内に施行されていく。
計画的に解説の改訂作業を進めている。
安全性委員会
委員長 村岸 梨早子(株式会社ツムラ)
●医療用医薬品添付文書ならびに関連情報提供資材対応
医療用医薬品の添付文書新記載要領対応が完了し、2024年度からは「注意事項等情報」の内容について、医療用漢方製剤を対象とした業界統一冊子の20年ぶりとなる改訂作業を進めている。新記載要領対応版として改訂内容履歴の整理・関連通知のデータ収集を並行して実施し、課題点の整理や処方ごとの変更骨子を検討し、これまでの注意喚起改訂根拠も含めながら、より分かりやすい掲載内容を心がけ、2025年度の完成を目指している。
さらに改正薬機法に関連する安全性に関連する情報共有ならびに情報提供資材についての見直し対応・業界取組等について、委員会内での円滑な連携強化を図っていけるよう対応を進めている。
コード委員会
委員長 葛野 孝弘(クラシエ薬品株式会社)
6月17日に委員会を開催した。
①5月8日の厚労省医薬局監視指導・麻薬対策課の広告指導官訪問
②医公協の公正競争規約の飲食等に関するルールの変更について
③製薬協コード・オブ・プラクティスの改定について
④今年度審査部会のスケジュール説明と審査資材提出への協力依頼について
以上の内容の共有および今後のスケジュールについて共有した。
保険薬価委員会
委員長 坂上 誠(株式会社ツムラ)
保険薬価委員会は、6月9日(保険薬価部会合同)、7月8日、8月7日に会議を開催した。
次期薬価改定へ向けて医療用漢方製剤等の基礎的医薬品、不採算品再算定、最低薬価への進め方を検討した。また、関係審議会の審議状況等の情報共有ならびに意見交換を行った。
私の健康法 映画監督、東北芸術工科大学理事長 根岸 吉太郎 さん
家から飲み屋までウォーキング

「今、ここで飲みたいと思うのはシャンパンです」
取材後の東京・京橋のスクエアガーデンで
●「キネマ旬報ベスト・テン」の常連
映画の歴史は1895年(明治28)に遡る。映画の生みの親・フランスのリュミエール兄弟がパリのグラン・カフェで『リュミエール工場の出口』と題した作品の有料試写会を開き、観客を大いに驚かせた。以来130年、映画は第七芸術とも総合芸術とも言われ、人々に感動を与えるとともにエンタティメントとして人々に楽しみを与えている。
早稲田大学を卒業後、日活に入社、当時、一世を風靡した日活ロマンポルノの助監督に。1978年に監督デビュー、27歳だった。フリーとなった3年後の1981年、立松和平原作の『遠雷』でブルーリボン賞監督賞と芸術祭奨選新人賞の栄に輝き、キネマ旬報ベスト・テン(以下キネ旬)ではベスト2にランクされた。その後、製作した作品の大半がキネ旬でベストテンに入り、名匠としての確たる地歩を築いている。
1990年代の中頃は映画製作を離れ、歌手の中島みゆきの『夜会』の映像作品に関わり、映像製作のジャンルでも名を馳せた。
本年2月には、16年ぶりにメガホンをとり、男女三人(新進女優の長谷川泰子・詩人の中原中也・文芸評論家の小林秀雄)の壮絶な愛と青春を描いた『ゆきてかへらぬ』が公開され、好評を博した。
映画監督の傍ら、2009年、山形市にある東北芸術工科大学のデザイン工学部に映像学科が開設されたのを機に教授に就任。その後、学科長、学長を経て、現在は理事長の任にある。
「今は教壇には立っていません。判子を押すのが主な仕事です」
●酒はなんでもござれ
東北芸術工科大学へ赴任してからは東京と山形を往復する生活を送り、山形ではホテル住まいをしている。「日頃の就寝は12時から1時、朝の5時から6時頃に一度目が覚め、二度寝をするので起床は8時か9時です」これまで大きな病気にかかった験しはない。30代の頃、野球で骨折し、入院したことがあるそうだが、大過なく過ごしている。食べ物にも好き嫌いは無く、なんでも食する。「スパイスの利いたものが好きです。フォアグラとか三大珍味とかの高級品は何故か嫌いですね」。お酒はなんでもござれ、その日の気分や食べ物に合わせて嗜み、休肝日はない。
●半夏厚朴湯を常備
「最近、耳が少し遠くなり、目も白内障気味で足腰も弱まっているのを感じます。疲れやすくもなり、サプリメントを試しましたが、止めました」代わりに服用しているのが半夏厚朴湯、喉が詰まり、声が枯れるとのことからSNS で調べてアマゾンから取り寄せている。他に龍角散も愛用。歩くことも心がけ、家から飲み屋さんまでの往復のウォーキングを健康法の一つとしている。歯のメンテナンスも怠らず、二か月に一度、歯医者さんでクリーニングを行い、寝る前には5分間の歯磨きを欠かさない。
プロフィール
1950年(昭和25)8月24日 東京生まれ。1974年早稲田大学第一文学部演劇学科卒業、日活に入社。1978年「オリオンの殺意より情事の方程式」で監督デビュー。2005年『雪に願うこと』で第18回東京国際映画祭史上初の4冠を獲得。2009年『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ』でモントリオール世界映画祭監督賞。芸術選奨文部大臣賞、2010年春の紫綬褒章を受章。

