漢方・生薬情報
ボタンピ(牡丹皮)
基原植物である牡丹は,観賞用として古くから知られている中国原産の落葉潅木である.日本への渡来は聖武天皇の頃,僧空海が中国から持ち帰って全国数ヶ所に植えたといわれ,園芸品として拡がり,品種が多い.
牡丹の「牡」とは,オスを意味する.これは種子ができにくいことからオスの花とみなされたためであるが,実際には多くの黄色い雄しべの中に雌しべが隠れている.丹は「赤」を意味する.
共に生薬として用いられているボタン属の牡丹と芍薬とは花の姿もよく似ており,英語で単にPeonyと言う場合は,どちらも指し得る.この二つの違いとしては,芍薬は草本だが,牡丹は木本(樹木).それゆえ芍薬は冬には根を残して枯れてしまうのに対して,牡丹の地上部は残る.開花時期も二つは少しずれており,牡丹(4月末~5月初旬)の方が芍薬(5月中旬~6月末)よりも少し早い.花の大きさは,牡丹の方が一般的に大輪である.
牡丹の「牡」とは,オスを意味する.これは種子ができにくいことからオスの花とみなされたためであるが,実際には多くの黄色い雄しべの中に雌しべが隠れている.丹は「赤」を意味する.
共に生薬として用いられているボタン属の牡丹と芍薬とは花の姿もよく似ており,英語で単にPeonyと言う場合は,どちらも指し得る.この二つの違いとしては,芍薬は草本だが,牡丹は木本(樹木).それゆえ芍薬は冬には根を残して枯れてしまうのに対して,牡丹の地上部は残る.開花時期も二つは少しずれており,牡丹(4月末~5月初旬)の方が芍薬(5月中旬~6月末)よりも少し早い.花の大きさは,牡丹の方が一般的に大輪である.
原植物
1. 原産地又は分布
中国,朝鮮半島および日本
中国,朝鮮半島および日本
2. 植物形態
樹高 50~180cm,幹は直立して分枝し,枝は太い.葉は有柄で互生し,2~3回羽状複葉で,小葉は卵形から披針形で,ほとんど3~5中裂し鋭頭.花期は4~5月.枝先に大型の花を単生し,花色は品種によって紫,紅,白色などがある.
樹高 50~180cm,幹は直立して分枝し,枝は太い.葉は有柄で互生し,2~3回羽状複葉で,小葉は卵形から披針形で,ほとんど3~5中裂し鋭頭.花期は4~5月.枝先に大型の花を単生し,花色は品種によって紫,紅,白色などがある.
生薬
1. 基原
ボタン Paeonia suffruticosa Andrews(Paeonia moutan Sims)(ボタン科 Paeoniaceae)の根皮である.
ボタン Paeonia suffruticosa Andrews(Paeonia moutan Sims)(ボタン科 Paeoniaceae)の根皮である.
2. 産地
日本(奈良県,長野県),中国(安徽省,四川省,山東省,陝西省 等),韓国
日本(奈良県,長野県),中国(安徽省,四川省,山東省,陝西省 等),韓国
3. 生薬の性状
本品は管状~半管状の皮片で,厚さ約0.5cm,長さ5~8cm,径0.8~1.5cmである.外面は暗褐色 ~ 紫褐色で,横に長い小楕円形の側根の跡と縦じわがあり,内面は淡灰褐色 ~ 帯紫褐色を呈し,平らである.折面はきめが粗い.内面及び折面にはしばしば白色の結晶を付着する.
本品は特異なにおいがあり,味は僅かに辛くて苦い.
本品は管状~半管状の皮片で,厚さ約0.5cm,長さ5~8cm,径0.8~1.5cmである.外面は暗褐色 ~ 紫褐色で,横に長い小楕円形の側根の跡と縦じわがあり,内面は淡灰褐色 ~ 帯紫褐色を呈し,平らである.折面はきめが粗い.内面及び折面にはしばしば白色の結晶を付着する.
本品は特異なにおいがあり,味は僅かに辛くて苦い.
4. 成分
フェノール類:ペオノール,paeonolide,paeonoside.
モノテルペン配糖体:ペオニフロリン,oxypaeoniflorin誘導体.
その他:タンニンなど
フェノール類:ペオノール,paeonolide,paeonoside.
モノテルペン配糖体:ペオニフロリン,oxypaeoniflorin誘導体.
その他:タンニンなど
5. 日局18規格値
| ペオノール | 0.9%以上 |
| 純度試験 | (1)重金属 10ppm以下 |
| (2)ヒ素 5ppm以下 | |
| (3)木部 木部5.0%以上を含まない | |
| (4)異物 木部以外の異物1.0%以上を含まない | |
| (5)総BHCの量及び総DDTの量 各々0.2ppm以下 | |
| 灰分 | 6.0%以下 |
| 酸不溶性灰分 | 1.0%以下 |
6. 適用
主として漢方処方用薬であり,婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている.また,配合剤(婦人用薬)の原料とする(1日最大分量8g,粉末の場合は2g).
主として漢方処方用薬であり,婦人薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている.また,配合剤(婦人用薬)の原料とする(1日最大分量8g,粉末の場合は2g).
7. 配合される主な漢方処方
温経湯,加味帰脾湯,加味逍遙散,芎帰調血飲,桂枝茯苓丸,牛膝散,牛車腎気丸,折衝飲,大黄牡丹皮湯,八味地黄丸,六味丸 等
温経湯,加味帰脾湯,加味逍遙散,芎帰調血飲,桂枝茯苓丸,牛膝散,牛車腎気丸,折衝飲,大黄牡丹皮湯,八味地黄丸,六味丸 等
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生薬の品質を五感で判断する方法
一般に太くしっかりとしており,均一円直な管状で木芯がなく,ひげがなく,皮が薄く肉厚で,外皮は黒褐色,折面は粉性で白く,内面にペオノールの結晶が析出し,香気が強いものを良品とする.
内面が淡赤褐色~黒褐色に変色し,においが弱いもの,また極端に細く,木芯が付いているものは良品とはいえない.
内面が淡赤褐色~黒褐色に変色し,においが弱いもの,また極端に細く,木芯が付いているものは良品とはいえない.
保管上の注意
防黴のため,低温,低湿度(20℃以下,50%RH以下)で保管するのが良い.
保存には格別の注意は必要ないが,古くなると変色し,においも弱くなるため,新しいうちに使用した方が良い.
保存には格別の注意は必要ないが,古くなると変色し,においも弱くなるため,新しいうちに使用した方が良い.
成分の詳細
フェノール性化合物のペオノールと,その配糖体であるpaeonolideとpaeonosideが特有のものとして知られている.
類似生薬
西康丹皮(西丹皮)というものが一時輸入されたことがある.これは牡丹皮としては扱えず,中葯志の赤芍皮又は葯材学の雅丹皮に相当するものと思われるが,その基原は明らかでない.
その他
日丹皮(日本産)
日丹皮は国産の牡丹皮で,品質的には肉厚で香りが良い上,切り口に成分(ペオノール)の結晶が吹き出す程の上質品も見られたが,現在ではほとんど生薬としての生産はされていない.
日丹皮は国産の牡丹皮で,品質的には肉厚で香りが良い上,切り口に成分(ペオノール)の結晶が吹き出す程の上質品も見られたが,現在ではほとんど生薬としての生産はされていない.
韓国産牡丹皮
品質的には日丹皮に比べて若干劣っていたようで,結晶も見られず,芯抜きは粗雑であった.
品質的には日丹皮に比べて若干劣っていたようで,結晶も見られず,芯抜きは粗雑であった.
中国産牡丹皮(鳳丹皮)
生産地は山東省・安徽省・江蘇省・四川省・陝西省であるが,特に安徽省産の品は鳳丹皮と称され,最良品とされてきた.
生産地は山東省・安徽省・江蘇省・四川省・陝西省であるが,特に安徽省産の品は鳳丹皮と称され,最良品とされてきた.
代表的な成分の構造式