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生薬の解説

トウキ (当帰)

冷え性、月経不順、貧血を主訴とする婦人病などに用いられる。根を薬用とする。

生薬

  1. 基原

    トウキ Angelica acutiloba Kitagawa
    ホッカイトウキ Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino
    (セリ科 Umbelliferae) の根を、通例、湯通しし乾燥したもの。

  2. 産地

    日本 (奈良県、北海道 等)、中国、韓国

  3. 生薬の性状

    本品は太くて短い主根から多数の根を分枝してほぼ紡錘形を呈し,長さ10~25cm,外面は暗褐色~赤褐色で,縦じわ及び横長に隆起した多数の細根の跡がある.根頭に僅かに葉鞘を残している.折面は暗褐色~黄褐色を呈し,平らである.
    本品は特異なにおいがあり,味は僅かに甘く,後にやや辛い.
    本品の横切片を鏡検するとき,コルク層は4~10細胞層からなり,その内側に数細胞層の厚角組織がある.皮層には分泌細胞に囲まれた多数の油道及びしばしば大きな隙間がある.皮層と木部の境界は明らかで,木部では多数の道管と放射組織とが交互に放射状に配列し,外方の道管は単独又は数個集まってやや密に配列してくさび状を呈し,中心部付近の道管は極めてまばらに存在する.でんぷん粒は単粒又はまれに2~5個の複粒で,単粒の径は20μm以下,複粒は25μmに達することがある.でんぷん粒はしばしば糊化している.

  4. 成分

    精油0.1~0.3%:ligustilide、butylidene phthalide、butylphthalide、sedanonic acid lactone、safrole、isosafrole、bergaptene、p-cymene、falcarino、falcarinodiol、falcarinolone、scopoletin、umbelliferone、vanillic acid、choline、多糖物質、β-carboline 誘導体、adenosineを含む。

  5. 日局18規格値

    純度試験(1) 重金属 10ppm以下
    (2) ヒ素 5ppm以下
    (3) 葉鞘 3.0%以上を含まない
    (4) 異物 1.0%以上を含まない
    灰分7.0%以下
    酸不溶性灰分1.0%以下
    エキス含量希エタノールエキス 35.0%以上