生薬の解説
ボタンピ (牡丹皮)
基原植物である牡丹は,観賞用として古くから知られている中国原産の落葉潅木である.日本への渡来は聖武天皇の頃,僧空海が中国から持ち帰って全国数ヶ所に植えたといわれ,園芸品として拡がり,品種が多い.牡丹の「牡」とは,オスを意味する.これは種子ができにくいことからオスの花とみなされたためであるが,実際には多くの黄色い雄しべの中に雌しべが隠れている.丹は「赤」を意味する.
共に生薬として用いられているボタン属の牡丹と芍薬とは花の姿もよく似ており,英語で単にPeonyと言う場合は,どちらも指し得る.この二つの違いとしては,芍薬は草本だが,牡丹は木本(樹木).それゆえ芍薬は冬には根を残して枯れてしまうのに対して,牡丹の地上部は残る.開花時期も二つは少しずれており,牡丹(4月末~5月初旬)の方が芍薬(5月中旬~6月末)よりも少し早い.花の大きさは,牡丹の方が一般的に大輪である.
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原植物
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生薬
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もっと知りたい
生薬の品質を五感で判断する方法
一般に太くしっかりとしており,均一円直な管状で木芯がなく,ひげがなく,皮が薄く肉厚で,外皮は黒褐色,折面は粉性で白く,内面にペオノールの結晶が析出し,香気が強いものを良品とする.
内面が淡赤褐色~黒褐色に変色し,においが弱いもの,また極端に細く,木芯が付いているものは良品とはいえない.
保管上の注意
防黴のため,低温,低湿度(20℃以下,50%RH以下)で保管するのが良い.
保存には格別の注意は必要ないが,古くなると変色し,においも弱くなるため,新しいうちに使用した方が良い.
成分の詳細
フェノール性化合物のペオノールと,その配糖体であるpaeonolideとpaeonosideが特有のものとして知られている.
類似生薬
西康丹皮(西丹皮)というものが一時輸入されたことがある.これは牡丹皮としては扱えず,中葯志の赤芍皮又は葯材学の雅丹皮に相当するものと思われるが,その基原は明らかでない.
その他
日丹皮(日本産)
日丹皮は国産の牡丹皮で,品質的には肉厚で香りが良い上,切り口に成分(ペオノール)の結晶が吹き出す程の上質品も見られたが,現在ではほとんど生薬としての生産はされていない.
韓国産牡丹皮
品質的には日丹皮に比べて若干劣っていたようで,結晶も見られず,芯抜きは粗雑であった.
中国産牡丹皮(鳳丹皮)
生産地は山東省・安徽省・江蘇省・四川省・陝西省であるが,特に安徽省産の品は鳳丹皮と称され,最良品とされてきた.
代表的な成分の構造式

paeonol

paeoniflorin