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生薬の解説

ショウキョウ (生姜)

熱帯アジア原産の多年生草本であり,根茎を薬用とする.品種が多く,薬用には辛味性の強い小生姜(ショウショウガ)又は中生姜(チュウショウガ)が使われ,食用には甘味のある大生姜(オオショウガ)が主として使われる.食品として流通している谷中系,金時系は,小生姜に分類され,黄生姜系,近江系は,中生姜に分類される.
「秋ナスは嫁に食わすな」という言い伝えがあるが,これは嫁が美味しい秋ナスを食べて体を冷やすのを気遣ったもので,焼きナスや漬物に生姜を添える食習慣は,体を温める生姜の作用を上手く利用した先人の知恵である.

原植物

  1. 原産地又は分布

    インド,東南アジア,中国,日本

  2. 植物形態

    草丈0.3~1m.根茎は多肉質で横臥し,節から偽茎を直立する.偽茎は草質で上部に葉を2列互生する.葉は線状披針形で,鋭尖頭,基部は漸尖形.日本では花をつけないが,暖地ではまれに開花する.

生薬

  1. 基原

    ショウガ Zingiber officinale Roscoe (ショウガ科 Zingiberaceae) の根茎を乾燥したもの.ときに周皮を除いたもの.

  2. 産地

    中国 (貴州省,雲南省,浙江省 等)

  3. 生薬の性状

    偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する.分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し,長さ2~4cm,径1~2cm である.外面は灰白色~淡灰褐色で,しばしば白粉を付けている.折面はやや繊維性,粉性で,淡黄褐色を呈する.横切面をルーペ視するとき,皮層と中心柱は明瞭に区別され,その全面に維管束及び分泌物が暗褐色の細点として散在する.特異なにおいがあり,味は極めて辛い.
    横切片を鏡検するとき,外側よりコルク層,皮層,内皮,中心柱が認められるが,コルク層はしばしば脱落している.皮層と中心柱は1 層の内皮によって区分される.皮層及び中心柱は柔組織からなり,繊維で囲まれた維管束が散在する.柔組織中には黄色の油様物質を含む油細胞が散在し,柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が含まれる。柔細胞中のでんぷん粒は主に単粒で,卵形,三角状卵形,楕円体又は球形で,へそは偏在し,長径は通例10~30μm である.(日局16 第一追補)


皮去 貴州省産


皮付 雲南省産

  1. 成分

    精油 0.2~3 %:主成分はα-zingiberene.他にβ-bisabolene,α-terpineol,nerol,borneol,sabinene,camphene,1,8-cineole,β-phellandrene,myrceneなど.
    辛味成分 0.6~1 %:主成分は[6]-gingerol.他に[8]-gingerol,[10]-gingerol,dehydrogingerone,[6]-shogaolなど.また,hexahydrocurcumin,desmethylhexahydrocurcuminを含有する.

  2. 日局16 第一追補規格値

    [6]-ギンゲロール0.3 %以上
    純度試験(1)重金属  10 ppm以下
    (2)ヒ素  5 ppm以下
    灰分8.0 %以下

  3. 適用

    胃腸薬やかぜ薬に用いられる他,鎮嘔,鎮痛,止瀉などに用いられる漢方薬に高頻度で配合される.

  4. 配合される主な漢方処方

    胃苓湯,温経湯,越婢加朮湯,葛根湯,葛根湯加川芎辛夷,加味帰脾湯,加味逍遙散,帰脾湯,桂枝加芍薬湯,桂枝加朮附湯,桂枝加竜骨牡蛎湯,桂枝湯,五積散,呉茱萸湯,柴陥湯,柴胡加竜骨牡蛎湯,柴胡桂枝湯,柴朴湯,柴苓湯,四君子湯,炙甘草湯,十味敗毒湯,小柴胡湯,小柴胡湯加桔梗石膏,小青竜湯,小半夏加茯苓湯,升麻葛根湯,参蘇飲,真武湯,清肺湯,大柴胡湯,竹筎温胆湯,釣藤散,当帰建中湯,当帰四逆加呉茱萸生姜湯,二朮湯,二陳湯,排膿散及湯,半夏厚朴湯,半夏白朮天麻湯,茯苓飲,茯苓飲合半夏厚朴湯,平胃散,防已黄耆湯,防風通聖散,補中益気湯,六君子湯 等

もっと知りたい

生薬の品質を五感で判断する方法

  • 周皮がよくむけており,色が灰白色~淡灰褐色のものが良く,萎びてなく膨らみがあり,香り,辛味が強いものが良い.


日本と中国でのショウキョウ(生姜),カンキョウ(乾姜)の呼称の区別.

日本生姜:乾燥根茎(別名 乾生姜)
乾姜:湯通し,または蒸した後に乾燥した根茎
中国生姜:新鮮根茎(ひねしょうが等)
乾姜:乾燥根茎(日本の「生姜」に相当)茎


代表的な成分の構造式