生薬の解説
ニンジン (人参)
わが国への人参の渡来は天平11年(739年),渤海国使の献上品にあったのが最初である.その後,何度となく輸入されており,江戸時代初期には生糸や絹織物と並んで朝鮮半島からの重要な輸入品目となった.オタネニンジン栽培は享保年間(1716-36)に日光の幕府御薬園で成功したことが始まりであるとされ,その後,幕府の奨励により松江藩(島根県)や会津藩(福島県)などで藩営事業として取組まれた.これらの栽培地に長野県を合わせ,日本の三大栽培地となっていた.
|
原植物
|
||||||||||||||||||
生薬
|
|||||||||||||||||||
もっと知りたい
生薬の品質を五感で判断する方法類白色で太く,潤いがあり,重質で,味甘く後わずかに苦いものを良品としている.
主な人参の種類
1)白参:4~6年根の皮を剥いで乾燥したもの.
2)紅参:4~6年根を水洗後,蒸して乾燥したもの.
3)生干人参:4~6年根を水洗後,ヒゲ根(細根)を除去し,皮付きのまま乾燥したもの.
4)湯通人参(御種人参):生人参を水洗いした後,80~90℃の湯に8~10分間湯通しし,乾燥したもの.内部の色は飴色を帯びる.
他の人参類
1)竹節人参(トチバニンジン Panax japonicus C. A. Meyer)
人参の代用として用いられてきた.オタネニンジンと地上部は似ているが,竹節状の根茎を通例,湯通ししたものである.
2)西洋人参(アメリカニンジン Panax quinquefolius L.) 別名:広東人参
北アメリカ,カナダ原産の植物だが,過剰採取されたため,野生品はわずかである.薬効はオタネニンジンに似ているが,日本では,医薬品での使用は無く,サプリメント等に使用されている.
3)三七人参(サンシチニンジン Panax notoginseng (Burk.) F. H. Chen)
中国原産だが,現在野生のものはほとんどない.中国雲南省周辺で栽培されている.
日本では,医薬品での使用は無く,サプリメント等に使用されている.
4)シベリア人参(エゾウコギ Acanthopanax senticosus Harms)(=日局「シゴカ」)
広範囲な健康保持効果を持つ強壮作用があり,現在はストレス,心理的圧迫感のあるときに利用される.オタネニンジンに似た効果を持つとされる.
代表的な成分の構造式

ginsenoside Rg1

ginsenoside Rb1