生薬の解説
ハッカ (薄荷)
薬用や香料用に栽培される多年生草本である.かつてはやや湿った原野,川の土手,田畑の畦に自生していた.特有の芳香があり,芳香性健胃薬として用いられる.日本にも古くに渡来し,『大和本草』に栽植の記録がみられることから,18世紀初頭には栽培されていたと思われる.ギリシャ神話に登場する冥界の王ハーデスの寵愛を受けた妖精ミンタが,ハーデスの妻ペルセポネの不興を買い,呪いをかけられて,雑草に変えられてしまった.これを哀れんだハーデスが,清涼感のある香りを放つハーブに変えたという逸話から,このハーブをミンタと呼ぶようになったと言われ,ミントの語源とされている.
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原植物
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生薬
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もっと知りたい
生薬の品質を五感で判断する方法質は脆く,葉を揉むとメントールのすがすがしい匂いがあり,味は辛くて清涼感がある.葉が多く,匂いと味が強いものが良品とされる.
採収・加工
夏および秋の茎や葉が茂る頃または花が3輪まで咲く頃,晴れた日に,数回に分けて刈取り,日干しまたは陰干しにする.
ハッカ油
ハッカ油は Mentha arvensis Linné var. piperascens Malinvaud(Labiatae)の地上部を水蒸気蒸留して得た油を冷却し,固形分を除去した精油であり,香料,清涼剤として,食品,化粧品などに広く利用される.
その他
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セイヨウハッカ Mentha piperita HUDS.
ペパーミント.精油は,菓子,リキュール,歯磨き材等に配合される.医薬品としては駆風,利胆効果が期待されると言われている. -
ミドリハッカ M. spicata L.
スペアミント.ヨーロッパ原産.carvoneを主とする精油は,香料や香辛料など,食品の添加物として使用される.駆風効果が期待されると言われている. -
メグサハッカ M. pulegium L.
ペニーロイヤルミント.ヨーロッパで食習慣はあるものの,肝毒性のあるd-Pulegoneを含有することから,飲食用及び内服薬用としては推奨できない.
d-Pulegoneを主とする精油をペニーローヤルオイル(別名:ポレイ油)といい虫避け剤や化粧品原料として使用される.ペニーロイヤルオイルも流産を引き起こす作用を有することから,妊娠中および授乳時には外用としても使用は避けるべきである.
代表的な成分の構造式

1-Menthol

d-Pulegone